彼らもまた、私と同じように徒歩で通し打ち(88ヶ所一気に周る事)をやっており、かつテント泊である。この日、私はたまたま、彼らがテントを張った近くで幕営する事になった。
私は杖杉庵(じょうさんあん)という無人のお堂の敷地を借りたのだが、彼らは見晴らしの良い果物畑にテントを張った。そして暫くすると、彼らのテントから、ギターの調べが聞こえてきた。そう、彼らはギターを担いで遍路をやっているのだ。
余計なものを持たないのが鉄則である歩き遍路においてもギターを持っていく。私は、そんな彼らのファンになった。
私と彼らは古道を行く
さて、12番札所から13番札所までは24km程。13番札所は大日寺という名であり、4番所のと同じ名前であるが、もちろん違うお寺だ。四国八十八箇所霊場に、大日寺は3ヶ寺、国分寺は4ヶ寺存在するのである。
13番札所まで、私は一般的な鮎喰川沿いのコースではなく、大日寺の奥院である建治寺というお寺を経由する遍路道を選択した為(建治寺への道は、古道が残っているのだ)、その道は結構険しいものとなった。
そんなコース、他に行く人はいないだろうと思ったら、なんとポングたちもこちらのコースを選択していたのでびっくりした。ちなみに、彼ら以外には全く人と出会わなかった。 |