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ロマンの木曜日
 
歩き遍路はじめました〜遍路日記まとめ(前編)〜

阿波遍路道、後半戦

13番札所から17番札所までは、8km弱の距離に5ヶ寺が存在する札所密集エリアである。徳島市街地にも近い為、道案内も豊富で歩くのに苦労せず、一気に行く事ができた。


14番札所の常楽寺は、岩ゴツゴツ
15番札所の国分寺は、本堂が妻入でカッコイイ

16番札所の観音寺は、住宅街でこぢんまり
17番札所の井戸時は、その名の通り立派な井戸がある

ところが、17番札所から18番札所までの距離は17km弱とやや長め。18番札所から19番札所まではそれほどでもないが、次の20番札所までは約13kmで、しかもその後半は登山だ。20番札所から21番札所に至っては、全行程が登山である。

この20番札所と21番札所の遍路道こそ、徳島県内最後の難関であると言えるだろう。


井戸寺からは田園を抜け――
前述の地蔵越え遍路道を歩き――

国道55号線沿いの風景を眺めながら――
18番札所の恩山寺に到着

さらに竹林を歩いて――
19番札所の立江寺に至る

立江寺からは再び山間部の方へと進み――
石畳が美しい遍路道「鶴林寺道」を登り――

ようやく、20番札所の鶴林寺まで来た
ちなみに、鶴林寺の下山道には、行き倒れた人の墓がある

下りた後は再び登山
まさに山寺という風格を醸す、21番札所の太龍寺

これまでの登山に比べれば楽勝の峠を越えて――
22番札所の平等寺に到着

 

「発心の道場」徳島県から、「修行の道場」高知県へ

さて、ここまで来れば、遍路の第一ステージである「発心の道場」こと徳島県もあと少しで終わりである。このまま海まで突き進み、それから海岸線に沿って南下するだけだ。海岸ならば平地が続くのだろうし、海の風景も楽しめる。楽勝だろう。

……そんな風に考えていた時期が、私にもありました。ところがどっこい、遍路はそんなに甘く無かった。


確かに、海の景色はとても綺麗
海岸沿いの遍路道も、山のそれとは趣が違っていて良い感じ

こんな面白い地形も見れたりしたけど……
いかんせん、この23番札所の薬王寺まで20km。疲れた!

22番札所の平等寺から23番札所の薬王寺までの距離、およそ20km。一日がかりでの行程であり、正直、かなりしんどかった。しかし、20kmでヒーヒー言っていた私の前に、さらにとんでもない事実が突きつけられる。

次の24番札所である最御崎寺(ほつみさきじ)は、室戸岬の先端にある。そして、薬王寺のある日和佐から、室戸岬までの距離は――約80km。


絶望を、与えてくれてありがとう

国道55号線は単調な景色でおもしろくない
そして、歩道の無いトンネルが怖い

お、反射素材のリストバンドが用意されているのか
が……空っ!……圧倒的、空っ!

牟岐(むぎ)の町には立派な商家が多い
さらに、牟岐には古道があって嬉しい

空が見える、海が見える。それで空海、か

この牟岐にある遍路道「大坂峠」を越えると、後はただ、ひたすら国道55号線を行くだけだ。時々、集落内の旧道に入ったりするけれど、基本はやはり国道の道。

アスファルトが足の裏に響き、ザックが肩に食い込む。車の騒音と排気ガスが精神をすり減らし、その風圧が菅笠を飛ばす。歩いても、歩いても、岬の先が見えない。

この室戸岬への80kmは、まさに"発心"から"修行"へとシフトする、その境であったのだ。いやはや、しんどい。


 
 

 
 

 
 

 
 

まだまだ、遍路は続きます

本当は、現在滞在している高知市まで、30番札所までをまとめようとしたものの、想像以上にボリュームが増してしまい、徳島県内の1番札所から23番札所まででいっぱいいっぱいになってしまいました。

まぁ、最初は目新しい事も多く、どうしても情報が多くなってしまうものだし……などと、言い訳してみますか。

私の遍路は、いまだ1/3くらいの行程を終えたに過ぎません。これから、まだまだ高知県後半、愛媛県、香川県と続いていきます。今後も、遍路日記でリアルタイム更新をやっていきますので、なにとぞよろしくお願いいたします。

遍路は続くよどこまでも

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