夕暮れ時の土手にて
日も暮れかかった時刻、荒川の河川敷までやってきた。夕日がまぶしい。
僕はなめこに好かれただろうか。いろいろとすれ違いもあったけど、いい線まで来たと思う。
最後のアンサー、みそ汁
やはりなめこもこういう風になることを望んでいたのではないだろうか。3ページ目でたどり着いた僕のアンサー、みそ汁である。
朝と昼ごはんを抜いているので、温かいものがお腹に入るだけで幸福感を得ることができると思う。僕が幸せになることで、なめこも幸せになって欲しい。
具がなめこだけのみそ汁を家で作ってきた。シンプルだが素材の味が引き立つ。
なめこの良いところは食物繊維が豊富なところだ。ぬるぬるとした食感も、飲み慣れたみそ汁の中でアクセントとして映える。
あーなるほど。味はふつうだ。きのこなら、まいたけのみそ汁のほうが好きだったが、なめこもアリだ。
しかし、ぬるぬるはいい、珍しい食感だ。地面にこぼしたら1週間は乾燥しないでそのままヌメってそうなパワーを感じる。
「なめこってヌメるなあ」以上の感想が出てこず、正直気を失いかけた。だけどそれでいいのかもしれない。なんとなく、そう思った。
たった一つの確信を胸に、僕はゆっくりと立ち上がり、無言で帰った。
なめこの約束
新年度に向けて、いままでやったことないことをしたい――
そうした動機から「なめこに好かれる」というチャレンジをしたが、このような結果になってしまった。なめこはこっちの気持ちなんて無視だ(なめこだから)。
それでも、得たものだってある。
「投げ出さない、めげない、後悔しない」
なめこの約束だ。