普通の街を温泉気分で歩いてみよう
さて、じっさい浴衣のおっさんがひとりいることでどれくらい温泉っぷりが上がるのかをさらに検証してみたい。ニフティがある大森駅の周辺を温泉気分でぶらついてみよう。
もちろん大森に温泉は湧いていない。駅から続く商店街があって、その先に住宅街が整備されている。わりかしオーソドックスな街並みである。
意識的に若干レトロなスポットをチョイスしてはみたが、これを観て温泉地としての旅情を感じる人は少ないと思う。なぜなら温泉じゃないから。
それでも、浴衣を着てうろうろ歩けば大森だって意外と温泉街なのかもしれない。
どうだろう。浴衣で歩くことによって大森の秘めたる温泉情緒を引き出すことができているのではないか。
少なくとも、日本に詳しくない外人が画像だけを見て大森を温泉地と勘違いするくらいの雰囲気は出ているかと思う。
でも、公園だと温泉感は半減
ちなみに大森には「貝塚」という縄文系の要素もある。ここに温泉が加わったら、外人的にはかなりエキゾチックスなポットになるんじゃなかろうか。そう思い、やってきたのは「大森貝塚遺跡庭園」だ。
敷地内に建てられた銅像は、日本考古学の父と呼ばれるモース氏の功績を称えるものだ。
一方、温泉地として有名な草津では、草津温泉を世界に広めたベルツ博士が偉人として称えられていて、温泉街の公園にはやはりベルツ氏の銅像がある。「銅像になった外人」というだけの共通項しかない2人だが、浴衣を着たおっさんとしてはモースをむしろベルツとして愛でたい。
しかし、温泉情緒という点では街中にだいぶ劣る感は否めない。せっかく温泉に来たのに2泊目で早くもやることがなく、公園で時間をつぶしているお父さんのようだ。