台地と地面
一般的に建物は地面の上に建っている。 その基準となる地面が斜めだと建物が建たないので、どうにか平らにして、そこにえいやっと建てるものだ。 その平らにする方法の違いによって、2階が玄関の家が生まれるのである。
例えばT・斎藤さんの記事「長崎の住宅事情」に登場するような、斜面に足を噛ませて建っているような家だと、2階に玄関ができる可能性は低い。 なので、2階に玄関がある家はなかなか希少なのである。
見あたらない
純然たる住宅地だと、道路は斜面に対して直角に走っていることが多く、平行の場合でも、家が二軒以上建つ幅で通っているので、なかなか2階に玄関物件は見あたらない。
更地になっている
田端駅を少し過ぎた先に、ちょっと希望が持てそうな場所を地図上で見つけた。 集中して何軒か2階に玄関住宅が見つかるかも、と胸膨らませながら向かったのだが、なぜかそこは更地になっていた。 再開発というやつだろうか。 時代は2階に玄関がある家に対して冷たい風を吹かせているようだ。
あきらめかけていたときに発見
がっくりと肩を落としながらも、引き続き谷沿いを歩いていたところ、視線の先に2階が玄関的な風景があった。 これは!
残念なシチュエーション
このように、偶然(といっても、それっぽいところを歩いているのだが)見つけるのも楽しいが、ここにあるにちがいないと思って探して見つけたときはもっと楽しい。 そういう場所を求めて地図を見ていると、「ここに道路が通ってさえいれば、2階に玄関の家が建っているのに!」と思える場所もあるのだ。
また発見
坂道が曲がっているところにも2階に玄関がある家は多い。 家を包み込むようにカーブしている場合、人間という動物はは両側に玄関を作りたくなるのだろうか。 そう思って探していたところ、そうではなく、目の前に逆カーブがある家が、2階に玄関だった。 このお宅は、あえて2階に作る必然性もないように見受けられるので、ひょっとすると住人の方は僕と同類なのだろうか。