銀座のビルは、つながってない。
さて、つなぎ目観察をしばらく続けていると、「そこにつなぎ目がない」ということも、観察の対象になってくる。インド数学におけるゼロの発見というか、日本庭園における枯山水というか、いずれにせよ「ないものを観察する」とは、西洋人にはわからない感覚であろう。
というのは全部でたらめだが、紹介したいのは、以前にブラタモリで知ってその週末にさっそく観に行ってしまった、銀座の路地である。
この隙間は、当時世界的にも人口密集地であった江戸の庶民の住宅需要にこたえる施策として、東海道の路面店の裏側に路地をはりめぐらしたことが由来であるという。
そして銀座には、この歴史ある路地を考慮して、建物内部につなぎ目を内包したビルがあるのだ。
○エントリーNo.10 ギンザグリーン
路地を分断する形で建てられることになったギンザグリーンなのだが、路地を愛する地元の要望もあって、店舗内にわざわざ自動ドアと通路を設置、このようなつなぎ目物件となったわけである。粋だ。ここはちなみにブラタモリ以後、「タモリさんが二度通った路地」としても有名である。
○エントリーNo.11 ワールドタウンビル
銀座の隙間の中でも私のもうひとつのイチオシがこちら。