餅企画やろうぜ餅企画ー、ってライター陣を誘ってみたはいいものの、こういうのって自分も作らなきゃいけないのだ。
しかも料理企画だからって、料理の出来そうな人ばっかりに声をかけてしまった。
味で勝負しては勝ち目はない。独創性で勝負だ。
(text by 石川大樹)
寿司に学べ
独創的…と考えてまず最初に連想したのはカリフォルニアロールである。裏返しの海苔巻きに、アボカドとカニかまを巻いたアレだ。日本の寿司文化を外国人が独自に解釈した結果、あんなに独創的なものが出来た。
僕もあんなふうに独創的な餅が作りたい。よし、パクろう!海苔巻きを餅に変えた、カリフォルニア餅である。
餅の生地作りのところはみんな書いてるからすっ飛ばしていいかなー、と思ったんだけど、蓋を開けてみたらみんな餅の作り方がばらばらでビックリした。十人十餅。ちなみにこのやり方だと、餅というよりちょっと求肥っぽくなりました。
そうこうしている間に餅が完成。
えっ、こんなのどうやって具を包むの?と思ったら、くっつかないように片栗粉を敷けって書いてある。でも今回作るのは、カニかま→餅→アボカドの3層構造なのだ。この時点で粘りがなくなったらあとで困る。
考えた結果、片栗の代わりに、カニかまを直接使うことにした。
えっ、なにこれ。冗談料理のつもりだったのに、カニかまの赤が映えて、けっこう見た目悪くない。
ちなみに味の方だけど、ひとつ食べてみたらすっごいおいしかった。まあ平たく言えばカリフォルニアロールの味なんだけど、餅の食感はまたご飯とも違って、口の中でアボカドとよく絡んだ。
これはうまい。ただし、この日は朝からチョコレート2かけらくらいしか食べてなくて、ものすごい空腹だったことを付け加えておく。
くわえて、あとで妻に完成した餅を見せたのだが、「生臭っ」と一蹴されたことも付け加えておく。