いろんな要素が混在する一発勝負
前述した通り、このお店のアペリティーボのスタイルはお皿に一回、好きなものを好きなだけ盛れるというもの。制限がある分、ふるまいが試されるわけだ。
醤油皿みたいな皿だったらどうしようと思っていたお皿だが、実際は醤油皿を三つつなげたようなもの。これなら垂直てんこ盛りにしなくても、いろいろな味が楽しめる。
どれも品よくいいお味だが、中でも手前に写っている鱈とトマトの和え物は味にコクがあっておいしかった。一回しか盛れない分、 じっくり味わっている自分に気がついた。
なんかいつもと違う。まずい、これは向こうのペースだ。
もう食べ放題のことは一回忘れよう。美しい夜景とおいしい軽食、そして店の大人ムードに身を任せようではないか。これは敗北宣言ではない。環境への柔軟性だと解釈したい。
右の写真は同行の妻に自分を撮ってもらったもの。あくまで自然体の一枚を、と思って撮ってもらったのだが、どうもあんまり自然じゃない。
◆参考サイト ホテルニューオータニ 「ザ バー」のアペリティーボ
※通年で17:00〜19:00。水曜のみ17:00〜21:00。(ただし、12/17〜25は除外日です)
ホテルの大人ムードと夜景で、うっかり満たされたメンタル面。ただ、あれくらいの軽食だとやはりおなかは満たされない。それはそうだ、バーで軽く一杯やって次の店に行く、というスタイルなのだろう。
当初は終わったらサイゼリヤに行こうと思っていたのだが、ここはがんばってもう一つオシャレ食べ放題を巡りたい。よい店はないかと調べて、向かったのは新宿だ。
目的としたのはフルーツパーラーで有名な新宿高野。そう、オシャレというキーワードから私が導き出したのは「フルーツ」という答えだ。
その方程式はどうなのかと思うのだが、考えてみれば自分がいつも食べ放題に行くと、フルーツはそっちのけで肉やチーズばかり食べている。そういう意味でも、新しい自分に出会うためにフルーツ食べ放題に臨みたい。
今回訪れるのは、パーラーと同じフロアにある「タカノフルーツバー」の方。看板によると、「レディスバイキングフロア」ということで、男性のみでの利用はできないらしい。
フルーツ+女性限定、でも女性と一緒なら男性でもいいよ、というルール。単に「オシャレ」と言うより、促音を入れて「オッシャレー」と言いたくなる。
食べ放題にはあまり興味のない妻も、私の「フルーツだから!フルーツだから!」という必死の説得に同行してくれた。エントランスや店内のキラキラ感も相まって、機嫌は悪くなさそうだ。
私は逆にそのムードに飲まれまいと構えて行ったが、いざ店内に入ってみたら、「もうそういう内面的な勝負みたいなのはいいか」とあっさり思いはじめた。
敗戦ムード濃厚なファイナルバトル、いざビュッフェ台に向かってみよう。