やっぱり地獄だ
こんな風に自分なりに頑張ってやっていたのだが、作業を始めて2時間後に気付いた。ここまで書き写してきた教科書の内容が、全然頭に入っていないのだ。
まずい。ただ書き写すだけじゃ、勉強にならないのか。それじゃあ、この書いて消すのは無意味な作業で、やっぱり僕は穴掘りの罪人じゃないか。
そして、消しゴムが全然減らない。これがもう本当にびっくりするほど減らない。その代わり、自分の体力の減り方は予想以上だ。消しゴムよりも僕の方がずっとすり減り方が速い。
最初に「企画が地獄っぽい」と言われた通り、事態は地獄に向かってゆく。地獄地獄…と頭の中でつぶやきながら、手に持っているのは普通のトンボの白い消しゴム。地獄の軽さに、思わず涙が出そうになった。
結局、本日進んだ量はこれだけ。100円のMONO消しゴムを、こんなにも大きく感じたことは、今までの人生でなかった。