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土曜ワイド工場
 
美容師に聞く、セルフカット

今回はやりますけどね。ラストは私。

女性にはセルフカットはオススメしない

いきなり結論を言われてしまったのだが、女性にセルフカットはオススメしないそうだ。まず、女性は髪が長いので立体的なフォルムを作るのが難しい。

そしてセルフカットに大活躍のレザー。これ便利で簡単なんだけどハサミと違って裂けるように切れるから、使い続けると髪が痛んじゃう。男性はそのラフな感じが逆に格好よかったり基本短いから良いけど・・・髪の為にも難易度的にも、女性はやっぱり美容室に通った方が良いよねということに。


縦にハサミを入れる。見てる分には簡単そうだ。

●ポイント13:前髪は、横に切ったら負け

さてまずは前髪から。
松本さんの時は顔周りを全体的に短くという事で梳きバサミでガシガシ切っていたけど、私のように「前髪」として切る場合は普通のハサミを使う。

毛が逃げない様、よく切れるハサミを使用する事。例のごとく髪を上に持ち上げ、櫛を使い毛先が前に向かう様にとかしてから縦にハサミを入れて切っていく。

この時、前髪を軽めにしたい場合は後ろめに上げる。逆に重めにしたければ前よりに持って行くと良いとの事。

それではさっそく実践!


櫛で整えながら
毛先を前にスっと持ってく

そして縦にカットする
あーぶなっ!!

危なくて目が離せない店長

ふだん前に持ちなれているハサミを後ろに動かす事の難しさよ・・・何度も空を切りイライラしてくる。後ろで見ているワイルド先輩とチョイチョイ先輩からは「見てる方がドキドキする」との声が。

確かにこの写真を見ると怖い。ああ見えなくて良かった。皆さんもしやる時は充分注意してください。


これならまあ切りやすい。重めになっちゃうけど

うーん、上手く切れない・・・普通にハサミを持って、横にバッツンと切ってしまいたい!でも店長さんから「ダメです、それをやったら負けです」とピシャリ。

キイィ!となった時、上からではなくて下からやる方法はダメですかと聞いたら、「髪を下げて切ると重めになっちゃうので、その場合はなるべく上げて」とお許しが出た。

 

●ポイント14:前髪を横に流したい場合

前髪を横に流したい人は、それとは逆の方向に前髪を集めて先っちょを縦に切ってあげる。最初よく分からなかったがきっとこういうことだ。


たぶんこういう事

いやー色々な切り方があって勉強になる。当たり前だけど美容師さん達は適当に切っている訳じゃなくて、頭の構造とか髪の流れとかその人のクセとか色々計算しながら切っているんですね。

店長さんから笑顔が消えちゃった。すごく心配そう

●ポイント15:サイドは下から打つべし!

お次はサイドを軽くしたいと思う。
私のようにクセ毛でハネが気になる場合、髪の内側を短くして外側を長めにすれば落ち着いた感じにできる。髪を持ち上げ真下から切る事で外側は長く、内側は短く残す事ができる。松本さんがやってたように、梳きバサミで3回に分けて切っていく。

(ちなみに今回とは逆に上からハサミを入れた場合は、動きのある髪型になる。)

店長さんの説明がいつの間にか「下からえぐり込む様に・・・そうそこで・・打つ(切る)べし!打つべし!打つべし!」とあしたのジョー調の変なテンションになっていた。


腕をえぐり込むようにハサミを持ち、打つべし!
反対も打つべし!

髪ではなく店長の顔を見ながら切るビビリ

後ろから「怖い」という声が聞こえる

やっぱり私も切り方に性格が出てしまったようだ。さっきの前髪の時は確かに自分でも危ないかもと思ったけど、梳きバサミで自信満々に切っている時でさえワイルド&チョイ先輩達の「怖い」という声が聞こえる。

そんなに「怖い」と言われると、今度は萎縮してしまい店長の顔を窺い見ながら恐る恐る切るように・・・「危なっかしくてビビリ」。私の性格そのままだ。

 

●ポイント16:ゼッペキの誤魔化しかた

次は私の中でメインで知りたかった、「ゼッペキ」の対処法だ。日本人に割と多いと言われるゼッペキ、果たして自分で対処できるのだろうか。


こちらがあの有名なゼッペキです
ほんとにぺったんこ

授業中寝ている時、級友にノートを乗せられていた思い出のあるゼッペキライン

根元の所をチョンチョン切る(梳きバサミで)

上の写真のようにゼッペキの角の部分から上を留めておき、その下の部分に梳きバサミでもって短い毛を作る。なるべく地肌に近いところを2〜3回切ること。その短い毛が上の毛をもりっと持ち上げてくれる仕組みだ。

店長さん「ただし、やりすぎると毛が無くなってよりゼッペキになるので気をつけてください。」

おお、なんと恐ろしい発言!よく切れるハサミだと危険です。

ちなみにハチの出っ張りをカバーするのは難しいので自分で何とかしない方がいいとのこと。おとなしく美容師さんにお願いしましょう。

 

一気にレザーで仕上げる

後は全体的なボリュームを減らしたい、ということでレザーを使っていった。やり方は今まで通り、濡らす→持ち上げる→毛先に向けて切る。


サイドを落ち着かせたい場合は中からえぐり出す感じに切る
後ろ部分は撫でるように上から切る(石川さんの頁参照)。この写真、松本さんも石川さんも本当に美容師の先輩みたいだ

両サイドは左右の長さを確認しながら慎重に。

飽きてきたからこれでいいや

●最後のポイント:最終チェックは女性に頼もう

最後「こんな感じでいいのかなあ」と不安になった時は、やっぱり誰かに見てもらうのが一番。特に何でも言ってくれるタイプの女性が良い。男性だときっと「いいんじゃん」と適当に返されますからね。

ちなみに3人とも大体30分くらいで仕上がった。30分もやれば切り飽きてくるのかも。

 

という訳で全員完成。3人のビフォーアフターをどうぞ!

 

劇的?ビフォーアフター(正面)
あの松本さんが あの石川さんが あの私が
爽やかに! ちょっと爽やかに! 爽やかという事に!

 

(サイド)
希望通りに 希望通りに 希望通りに
半分の長さになりました ちょっとだけ短くできました ならず、ゼッペキフォロー失敗気味

一応みんなサッパリ。お疲れ様でした!

なんという事でしょう

写真並べてみましたけど、どうなんでしょうか。個人的にはワイルド先輩もチョイチョイ先輩も凄くうまく着地できたと思う。でも自分は正直微妙だ。今すぐ店長さんに直してもらいたい。

 

そんな感じで美容師さんの有難みを感じつつ、本日のセルフカットこれにて終了!

 

店長さんの感想

今回は「セルフカット」という美容師にとってはややネガティブともとれるテーマでしたが、自分にとっても「素人」であるお客様が普段どのように髪を切っているのかを知る事が出来、
また髪を切る事の純粋な楽しさを改めて教えて頂いた気がしてとても勉強になりました。とても楽しい体験が出来て感謝しています。ありがとうございます。

セルフカットか美容室か

今回、セルフカットの基礎やちょっとした理論をいくつか学ぶことができ、以前よりはずっと良い感じに切れるようにはなったとは思う。だけどその一方で、頭の形や髪質や流れ、性別や要望によってカット方を変えてくるプロの凄さも実感。そしてさらに、セルフカットの出来には自分の器用さや性格が大きく関わってくる事が判明した。習えば上手くできるんじゃない?と思っていた自分が恥ずかしい。

というわけで、危なっかしくてビビリでゼッペキの私はこれからも大人しく弘中店長に「お任せ」したいと思います。

これからも宜しくお願いします
(この取材2週間後に直してもらいに行きました)

取材協力:美容室mawhair(マウヘアー)
URL:https://www.maw-hair.com/
住所:東京都葛飾区東立石4-45-15  TEL 03-3696-0669

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