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はっけんの水曜日
 
ナイフとフォークで食べる

庶民 VS ブルジョア

「こてっちゃんをナイフとフォークで」というと、見栄を張っている人、みたいな漫画的な図柄になってしまうが、実際のところはどうだろうか。


上品にいただきます

こんなにうまい肉はない

とても驚いたのでみなさんにも驚いて欲しい。
ナイフとフォークで食べるこてっちゃんは猛烈にうまい。
のり弁の時にもいったが、フォークに刺してナイフで切って、それを口に運ぶという行動のあいだに、いくつかの「間」があるので、その時にきちんと味わうことができるのだ。

みなさんはこてっちゃんを、箸でがばっとつまんでホイホイと口の中に入れて食べてしまってはいないだろうか。
もしそうなら、いちどでいいからナイフとフォークで食べてみて欲しい。
こんなにコクがあって、歯ごたえがあるのに軟らかく、ジューシーで味わい深い肉は、そうはないことに気づくと思う。


高級感満点だ
こてっちゃんはすばらしい

家に帰ってきた

こてっちゃんを食べ終わったころに、暑さで頭の芯がずきずきいいはじめたので、家に帰ってきた。
軽い熱中症だとおもう。


あたまがいたいでーす

牛丼をナイフとフォークで

つぎにナイフとフォークで食べるのは牛丼である。


これで食べられるのかなあ

公園に比べて家の中は写真が地味になるので、大きめのリアクションで、と思って撮影したら、わざとらしくなってしまった。
慣れないことはやるものでない。

ナイフとフォークで牛丼をたべるのも慣れないことだが、やる。
言っていることが矛盾しているが、そういうものだ。


皿にのせる

ドンブリでは食べにくいので、牛丼をお皿の上に乗せた。
そうするとこれは牛皿ということになるはずだが、牛皿というのはふつう具だけの牛丼を指す。
だったらこれは何だ。
皿牛丼か。
皿うどんみたいだ。
というようなことはどうでもよいことだ。
そして牛丼は皿にのせるとうまそうになるという発見もあった。
ちなみに皿にのせるとうまそうな牛丼は、具とご飯を別々にしてもらえる松屋ならではの芸当である。

期せずして、うまそうになった

食べにくい

さて、ナイフとフォークで牛丼をいただいてみるが、想像通りに食べにくい。
やはりフォークはご飯を食べるのに向いていないようだ。
牛丼の肉が中途半端な大きさなのも食べにくい。


フォークにのせて
持ち上げる
うまくいくときはいいが
失敗するとこういう顔になる

けどうまい

しかし、何度も書くがナイフとフォークをつかうと「間」が生まれて、その時の味わいが、牛丼も高級外食に変身する(そもそも牛丼は外食なんだけど)。

それから、ご飯の残りが少なくなった時に、スプーンなんかで食べるよりも食べやすくなるという発見もあった。

牛丼ってこんなにおいしかったっけ

枝豆はどうか

最後にナイフとフォークで食べるのは枝豆だ。
ここまで、ずいぶんナイフとフォークの肩を持つ展開になってしまっている。
しかし、僕にそういう意図はない。
ナイフとフォークに憧れはあるが、味方ではないのだ。
だって、お箸の国の人だもの。


ナイフとフォークにぎゃふんといわせる

判官贔屓ではないが、ここは枝豆にひとつがんばってもらいたいところだ。


ナイフで外包を切って
マメを刺す


まんざらでもない

言葉の使い方としては間違えているかもしれないが、枝豆にナイフとフォーク、まんざらでもない。
決して食べやすくはないが、食べられなくはない。
ひるがえって、お箸ではどうだろう。
お箸では、枝豆は、食えないじゃないか。


おぬしなかなかやるなあ

さすが西洋

実験する前は「いやー、やっぱり箸のほうが合理的な道具だし、なにより風情があるよねー」という締めになると予想していたが、ナイフとフォークはすばらしい道具だ。

このあと刺身を食べてみたのだが、しょう油皿につけるのにもナイフとフォークのほうが便利だったし、ツマを切ったりもできて、箸が持つ風情とか情緒を上回ってしまうほどだった。

ほんとは天ぷらそばなんかでもやってみようと思っていたのだが、もしナイフとフォークのほうが便利だったら、これから先そういうライフスタイルになってしまいそうなので、やめておいた。
そう思うくらい、ナイフとフォークは便利だ。
それと、サンマはうまい。
これが結論だ。

サンマの苦いところが超うまかった

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