出来ないものはちゃんとしなきゃ出来ない
砂糖水も冷めてきたので採ったものをペットボトルに入れて準備する。そのペットボトルに「さけ」と書いてて実家感が高い。
ばあちゃんは柿の葉ね。といって渡すと茎や痛んだ所を取ってからペットボトルに詰め始めた。
僕「あー、そのまま入れてエエで」
おばあちゃん「ちゃんととらな気持ち悪いわ。」
僕「でも出来ないって言ってたじゃん」
おばあちゃん「どうせ出来んけど、ちゃんとせな出来んよ!」
僕「お、おう!」
やるとなったらテキパキおばあちゃん
葉っぱを詰めたペットボトルに砂糖水を注ぐ。僕が入れようとしたら、「どら、貸してみい」といって入れてくれた。鍋が小さく、二本分しかなかったのでまずは松と桜を漬け込んだ。
日当たりの良い所に置いておくと良いそうなので、何となく車の屋根の上に置いておいた。あったかいし。
そしておまんじゅうを食べながらまた高校野球を見る。
68歳にも夏は来る
どこの高校かは分からないが負けてる方の高校をおばあちゃんはずっと応援していたらしく、いけッ!ホームランや!と熱心に応援していたが残念ながら負けてしまった。
試合終了と共におばあちゃんは力が抜け、ポツリと一言つぶやいた。
おばあちゃん「ばあちゃんの夏は終わった…」
おばあちゃん、参加してた!?甲子園の夏は高校球児にしか来ないと思ってたけど、68歳のおばあちゃんにも来てたみたい。
おばあちゃん「でもまぁ、2対1で負けたんやったら最少失点やからしょうがないな」
おばあちゃーん、最少は1だよー!2失点は最少じゃないですよー!!
僕「来年の夏もあるよ」
おばあちゃん「それまでまた頑張るわ」
甲子園って、凄い。
準備完了
おばあちゃんも敗戦のショックから立ち直り、葉っぱの詰まったペットボトルに砂糖水を注ぐ。ここだけ読んだら立ち直ってなくて妙な事し始めたっぽいが、今はそれが正常だ。
さて準備は完了。後はこれを放って置くだけでサイダーになるはずだ。が、ここからは何日単位の時間が必要となる。
サイダーが出来るのを僕の都合が許さず、これらを持って大阪に戻る事となった。
出来たらばあちゃんにも飲ませたりたかったわ。と僕が言うとおばあちゃんはそんなもん飲みとうないわ。と、笑ってた。