「100均は愛にあふれている」
とはいえ、冒頭で内海さんが「さがすのけっこうたいへん」とこぼしていたように、店内を見てみると、たいていの商品はフリーダムじゃない。これは、われわれの暮らしがいかに常識に取り囲まれているかを物語っているのだ。たぶん。ほんと、ちゃんとしてるなー。
と、思っていたが、どうやらそれは甘いようだ。
「単体だと一見フリーダムじゃないモノも、ひとまとまりで見たら実はフリーダム、ってこともあるから」 どういうこと? 「たとえばね…これ」
そんなにフリーダムとは思えないけど?
「でもねえ、売り場を見渡すと、LOVEがすごいんだよ」
とにかくLOVE。John Lennonも草葉の陰でさぞお喜びのことでしょう。
そうか、"とりあえずLOVE"っていうざっくりとしたフリーダムは、こうやって全体を見渡してはじめて分かるってことだね。
「つまり100均は愛にあふれているんだよ」
なんかいいことを言ったような気がしたけど、よく考えたらちがうきもする。
「知らぬ間にフリーダム」
上のLOVEハンカチがあった棚。こういうところは「掘らなきゃだめ」という。掘る、って。
「あと、たとえばこうやって柄ものがたくさん重なっているようなときは、ちゃんと掘らないとだめ」
掘る、って?
「隠れてるからね、フリーダムが」
色違いで購入。この文字群がすごいのだ。
これはフリーダムだねえ。アルファベットの文字が配置されていればいい、というフリーダムな思想だね。すばらしい。
「そういえば、以前デイリーポータルZで古賀さんが、これが家にあった、って書いてたね」
ほんと?!
「うん、おぼえてる。あっ、100均のやつだ!って思ったもん」
…ふつう気がつかないよ、そんなの。
「つまり、人は知らぬ間にフリーダムだったりするんだよ」
なにか深遠なことを言われたようなきがする。知らぬ間にフリーダム。いやいや、きのせいだ。