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はっけんの水曜日
 
食品サンプル工場見学!

今はおこなわれていない方法で天麩羅を作る

この食品サンプル作り、見ているだけでも大満足だが、マメちゃんの根回しで、デパートの催事場などで購入者サービスとしておこなっている天麩羅作り体験をさせていただけることになった。

今回作るのは、ビニールでできた天ダネにロウの衣をまとわせてつくる天麩羅なのだが、ロウは壊れやすいので、現在は衣もほとんどビニールが使われている。

しかしビニールは200度以上に加熱しないと固まらないので、初心者が扱うには難しく、体験用は今でもロウを使っているのだそうだ。


ビニール製の天ダネ。ほとんど衣で隠れちゃうけれど、本物そっくりにできている。
湯煎したロウを黄色くしたものが衣の材料。マンゴージュースくらいの粘度。

湯煎で溶かしたロウをお風呂くらいの温度のお湯にチョロチョロとたらすと、ロウがお湯の上で固まって天麩羅の衣になっていく。このとき、お湯の温度が高すぎるとトゲトゲした衣っぽくならず、低すぎるとすぐ固まってしまうそうだ。

今のところは「揚げ玉作ろうとしたら油の温度が低すぎた」みたいな状態だが、これであっているらしい。


天ダネに衣を付けて揚げるのではなく、まず衣をつくる。先が読めない展開だ。
すぐ固まっていくのでマイナス200度の世界みたいでもあるが、お湯はお風呂くらい。

天麩羅にするタネより一回り大きい衣を用意したら、そこに盛りつけるときに上になる方を下にしてタネを置き、衣で包みこんだらできあがり。


表側が下にくるように置く。
衣のちりちり加減が絶妙。

すごいすごいすごい。あっという間にヘタな本物の天麩羅よりも天麩羅らしいエビ天のできあがりだ。

実際の天麩羅作りとの手順の違いがまたおもしろい。この様子を動画にとって、「HOW TO TEMPRA」とかのタイトルでYouTubeにでも上げたら、「ジャパンノテンプラハ、コウヤッテメイクスルノカ」とだまされる人がいるかもしれない。

 

楽しすぎる天麩羅作り

この見ている分には簡単そうな食品サンプル版天麩羅作り、さっそく私もやらせてもらったのだが、垂らしたロウが大陸移動説のように水面を動いてしまう感覚がおもしろい。逃げていくロウの大陸を追いかけながら垂らしていく。

ロウが固まって衣になっていくのがおもしろくて、つい天ダネよりもだいぶ大きく作ってしまった。


この衣を作る作業がおもしろい。
とりあえず簡単そうなイカをセレクト。小麦粉をまぶしたりしなくても衣ははがれないらしい。

衣が完全に固まらないうちにイカを中央に置き、軽く水中に沈めながら衣でイカを包んでいく。

天麩羅を手で作るなんて見た目的にはすごい熱そうだが、そんなことないですねといいたいところだけれど、衣の量が多すぎたため、まだ液状のロウが手に掛ってちょっと熱かった。


揚げたての天麩羅の衣のようなもろさはなく、残り物のしけった天麩羅っぽいさわり心地。
スーパーのお惣菜で売っている天麩羅みたいに衣が多くなってしまった。ハイカロリー。

すごい。長尾さんが作っているのを見て簡単そうに見えたのだが、実際にやってみたらヘタなりに形になってくれる。本物の天麩羅の10倍うまくいく。苦労に対する成果がとても大きい。すごいぞ食品サンプル。これを考えた人は天才だと思う。

家でもやりたいところだが、加工用のロウは普通のものとは融点が違うので、なかなかうまくできないらしい。それでも挑戦してみる価値はある気がする。そのくらい楽しいのだ。


調子に乗って一人前を一気に揚げさせてもらった。これを一日中やっていたい。

楽しいからやってみてと勧めても、「いやいや撮影係ですから」と遠慮していた編集部工藤さんに、せっかくなのでやってもらう。
「僕はいいですよ」といっていた工藤さんだが、やった途端に今までみたことのないような笑顔の花が咲いた。

 

デコケータイを作る

最後におまけとして、一緒にいった友人が持ち込んだ天ダネを揚げさせてもらった。

携帯電話のモックである。


たっぷりのロウで大きめの衣を作る。
そこに携帯のモックをドーン。防水の携帯だったら、モックじゃなくてもいいかもしれない。

得体のしれない罪悪感に悩まされながら、携帯電話を衣まみれにする。
はい、江戸前デコケータイ完成。

このままマメちゃんにラップに包んでもらってこの携帯の持ち主の友人が持ち帰ったのだが、友人とマメちゃんは、おかずのおすそ分けをする近所の主婦同士みたいだった。食品サンプルはラップに包むとより食べ物っぽくなる。


「あらー、いつも悪いわねー」「いいのよー、こっちこそ衣ばっかりの天麩羅でごめんねー」

サンプル職人の職業病

帰りにマメちゃん達と居酒屋に入ったのだが、私も「この料理はどうやって作るのだろう」と考えることはあるけれど、マメちゃんの場合は「これはどうやってサンプルを作ればいいだろう」と考えてしまうそうだ。ええと、マメちゃん、末永くお幸せに。

「これ、実はサンプルなんじゃないだろうか」と疑いながらの飲み会でした。

取材協力:ながお食研

ロウで作る天麩羅などの体験は、デパートの催事場で食品サンプルを購入した方にサービスでやらせてもらえるそうです。手の中で天麩羅ができていく感覚、思わず笑い出してしまいます。イベントスケジュールはこちら


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