「月面への第一歩」サンダルを作った

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はっけんの水曜日

第「一歩」なのです

「壮大な計画というものは、実行に移す瞬間はいたって地味なものだ」―オツハタ飛行士

いたって地味。

裏もまあ地味。

そしてでかい。

ここで左足に履いたのには意味がある。アームストロングの月面への第一歩は、左足だったのだ。

そして、このサンダルは左足しかない。だって「月への第一歩」サンダルだからだ。よってもう一方は存在しないのだ。

ヒューストンヒューストン、では行ってきます。

ついでに運動もというセコい宇宙計画

さて、このサンダルで、

　そこらじゅうに私の月面への第一歩を印す

という、文章的にも大変複雑なミッションを行うわけだが、ちょっと考えてもそれが容易でないことは想像できる。近所に適当な土が、地面がなかなかないのだ東京砂漠。

なので自転車で探し回ることにしたのだが、この自転車を宇宙船だと思えばそれもまた風流。

ヒューストン、土があります。

「よし降りろ」左足に装着。

「これは一人の人間にとっては小さな一歩だ…けど…」

ここは静かの海じゃなかった。

岩（石）がゴロゴロしており、土もツブが大きい。写真の靴跡はもっとなめらかな地面についていたはずだ。こんな通りっ端の植栽の影なんかじゃない。川沿いなので蚊も多くていやだ。場所を変えよう。

広い公園にジャリ発見、これより降下、着陸する。

静かだ…ここが静かの海か？

ヒューストン、えいっ。

ヒューストン、微妙です。

そこらじゅう第一歩だらけにはなりました。とりあえず移動しますヒューストン。

また別の公園。ここは砂場がある。

すでに犬も着陸し放題（画面右）のようだが、えい。

今はーもう秋ー、誰もーいない　静かの海ー

誰もいない公園で、ひとりゆっくり歩いて宇宙飛行士ごっこ。

靴跡が付いたことは付いたが、地面から靴を放したとたんに砂のエッジが崩れて、こんな湯たんぽみたいな跡になってしまった。

とりあえず、湯たんぽ跡に月面ぽい画像処理をしてみた。

青い鳥はだいたい家にいる

最後、なるべく細かい土を園芸店で買って、家でやってみよう。「月面箱庭」である。

衣装ケースの中身ひっくり返して調達。

土を入れる違和感。明かりがムーディなのはベランダでやってるから。

箱土の上に、えいっ。おお、衣装ケースの中に月面誕生。まさに箱庭は小宇宙。というかもともと宇宙だな。

これは一人の人間にとっては大きな労だったが、人類にとっては小さな一歩である

靴跡の再現はなかなかに難しかった。月面はもっと粉っぽいというから、小麦粉でやってもよかったのかもしれない。そのときはサンダルじゃなくて、シリコン型を作ろうか。いや、寒梅粉で落雁作って、謹製「月のあしあと」でございます、とか何とか。

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