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ひらめきの月曜日
 
10ヶ月かけてマシュマロ作り

ここで10ヶ月前にさかのぼります

マシュマロの元祖は植物の根から作ったもの。この事実を知ったのは、実は昨年夏のこと。実際に作ってみたいと思って、原料となる草の種を購入しておいたのだ。


イタリアからやってきた種
「MARSHMALLOW」って書いてある

ネットで買った、イタリア産のこの種。袋の表記も現地仕様なのだが、よく見ると「MARSHMALLOW」と書いてある。読み方は「マーシュマロウ」。そう、日本ではウスベニタチアオイと呼ばれるこの植物、外国ではマシュマロそのものが名前になっているのだ。

というより話は逆。「マーシュマロウの根から作った食べ物」が元々のマシュマロで、あとから材料を変えて作ったものにも、名前はそのままマシュマロと残っているというわけだ。


マシュマロ情報も確かに掲載

パッケージの裏に貼ってあった説明書きにも、マシュマロの説明が書いてある。やはりこの草で間違いない。

ちなみに最近よく聞くようになった「ギモーヴ」は、マーシュマロウのことをフランスでの呼び名。でもフランスでもマシュマロと呼び方はあるそうで、当地ではこっちの方がこじゃれた言い方だと解説しているサイトもあった。日本と逆だ。

さて、元祖マシュマロを作るためには、この種を育てなくてはならない。しかし植物の栽培にはどうも自信がない。ここは庭いじりの好きな人に頼みたいところだ。


頼んだ人
栽培スタート

身近にいる庭いじりの好きな人、それは母。そういうわけで実家に帰った折に、経緯を話して栽培を頼む。育つ様子の写真撮影と、簡単な栽培日記もお願いした。

「責任重大だね〜」と言う母。調べたところによるとそれほど栽培の難しい植物ではないようなので気軽に楽しむつもりでやってほしい。

栽培開始は2009年の9月21日。ここからしばらく、母が撮影した写真が続きます。


10月18日撮影
11月8日撮影

パッケージにまき時は9月から10月とあったので、9月に種まきを実施。だんだん涼しくなっていく季節だからか、生育は思いのほかゆっくりだ。少しずつ大きくなってはいるが、2ヶ月近く経ってもまだ小さな葉がついているだけ。

そしてここからどんどん雲行きが怪しくなる。


年が明けて、2010年1月18日撮影
そして3月3日撮影…

冬が厳しくなるにつれて葉の色がおかしくなっていく。そして3月3日と言えばもうすぐ春というところだが、ほとんど完全に死んだように見える。

この頃に送られてきた写真を見て、もうダメだとすっかりあきらめの境地に。残念だけど元祖マシュマロ作成計画は失敗だ。と、思っていたのだが…。


4月6日にはこんな様子に

全滅だと思ったあとも、念のためプランターはそのまま置いておいてもらっておいた。すると死んだと思ったマーシュマロウ、あたたかくなるとともにしっかり伸びてきているではないか。

このマーシュマロウ、「宿根草」と呼ばれるタイプのもので、生育に適さない時期は地上部分が枯れるようになっているそうだ。そうは言っても、あそこまで完全になくなってしまうと、復活を信じられなくなっていたのだ。無事に再成長して、宿根草すげえと思わされる。


そして現在(7月)
花もたくさん咲きました

その後は順調に育ち、背丈もかなり高くなる。花は可憐な感じのもの。

ここから先は、再び私の撮影した写真に戻る。ところで母の写真は出てきたが、栽培日記の方は出てきていないことにお気づきだろうか。書いてあった日記を見せてもらおう。


そうだったのか…

チラシの裏に書いてあった母のマーシュマロウ栽培日記。俺、そんな目をして頼んでいたのか…。そして、栽培するの、嫌々だったんだ…。

種まきから数日後に芽が出ているのがわかる。そして日記は以上で終わる。

これしか書いてなかったのだ。このあたりにも嫌々さの本気っぷりがよくわかる。「花が好みじゃないのよね」と母の弁。中高年栽培ブログみたいな感じになるかと思っていたのだが、予想外の展開だった。


結構背が高くなるマーシュマロウ
根っこは割と普通

ともあれ、そろそろ収穫してもよい頃だろう。背丈も1メートル以上はありそうだ。よし、一本引っこ抜く。

…うーん、思ったより普通の根っこだ。ショウガのような感じになっているものかと想像していたのだが、こんなものだろうか。あるいはまだ時期が早かったか。


これがあのふわふわに

それでも全て抜いてみると、それなりの量にはなった。ではこれを材料にして、いよいよ元祖マシュマロを作ってみよう。


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