そもそもカッパとは何か
個別のカッパを検討する前に…と前置きして、大島さんがこんな話をしてくれた。
大島「そもそも、斎藤さんは『カッパとは何か?』って考えたことありますか?」
カッパとは何か?こんな企画を持込んでおきながら、言われてみるとあまり真剣に考えたことがない。
大島「学術的に『カッパ』という言葉は基本的に、集合名詞なんですよ。」
斎藤「それは例えば、『斎藤充博』が固有名詞で、『ヒト』が集合名詞ってことですか?」
大島「そうそう。民俗学ではカッパを『水辺に出てくる怪しいもの』という意味で扱っています。もちろん「カッパ」という名前のカッパもいますが」
なるほど。うちの実家で飼っている猫にも「ネコ」という名前がついている。実家であることはアカデミックな世界でもあることなのだな。
大島「なんでそういう風に扱うかというと、民俗学が採取したカッパの伝承が、あまりにも膨大なんですよね。地方地方で名前が違いすぎるんです。『ガラッパ』とか『カワタロウ』とか…400個ぐらいあるという説もあります」
「なのでカッパは『ものすごく幅が広いもの』という風に思っていて下さい」
興味本位で街中のカッパを持込んだ僕とは対照的に、じわりじわりと慎重に論を進めて行く大島さん。そうか、これが専門家の語り口か。じりじりと期待が高まる。
時系列でカッパを語る
大島「カッパについて語るとしたら、時系列で話を進めるのが良いと思います」
カッパの形状やパーツによって、大まかに出てくる時代が違うそうだ。ここは僕がイラストにしました。 |