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ちしきの金曜日
 
カッパのキャラを民俗学的に鑑賞する

カッパ寿司のマスコット



まず、街中カッパ界で一番メジャーなものをぶつけてみた。回転寿司大手「かっぱ寿司」のマスコットキャラクターだ。さっきまでのアカデミックな話から、急にバイパス沿いの日常に落っことされた感がある。大島さんはこれをどのように見るのか。

大島「蝶ネクタイなんかが付いてデフォルメされていますけれどね…。これ、江戸時代のカッパのイメージにかなり近いですよ。鳥のクチバシはついていないし、全身もヌルっとしているようなイメージで描いてあるし。」
「これ、背中側の写真はないんですか?…ないのか。甲羅がわからないのがちょっと残念だけれども…。それでもこれはやっぱり江戸のカッパを忠実に再現してる。江戸は、一番カッパの文化が花開いた時期ですからね」

おお!こんなマンガチックなカッパでも、スパっと分類してくれた。しかしこんなにスパっといっている様子が、小気味よいと同時に、何か不思議だ。なんとなく通販の穴あき包丁が頭に浮かぶ。

 

斎藤「このキャラは男女の別が付いていますけれども…メスのカッパ、というのはありえるんですか?」
大島「有名なのがありますよ。利根川に『ネネコガッパ』というメスのカッパの伝承があります。このカッパは利根川の大将です」

なるほど、メスのカッパがいても全然おかしくないわけだ。大島さんはこのあと「不自然なところが少ないので、むしろ突っ込みどころが少なくて面白くないなー」とまで言っていた。恐るべき切れ味である。


頭…お皿とギザギザ 体表…つるつる 口…人間と同じ 甲羅…不明
ディフォルメしてあるものの、意外と江戸中期ごろのカッパ像に忠実

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