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フェティッシュの火曜日
 
セレブのもやし炒め、セレブのねこまんま

平等だ!

ここへきて、セレブが庶民に歩み寄った。

下の写真は庶民のじゃがバターだが、美味しさはそれほどかわらなかったのだ。

なので記念に庶民版も写真を大きく載せました!


じゃがバターのでかい写真を連続で載せるサイト、デイリーポータルZです

セレブのじゃがバターはカルピスバターと500g260円のジャガイモ、庶民のじゃがバターはマーガリンと1キロ260円のジャガイモ。

庶民版がセレブ版のほぼ半額という価格だ。でも、味わい的にはどちらもきちんと“じゃがバター”であって、美味しい。

バターとマーガリンの味が違うので、味わいはもちろん違うが、その差が美味しさの差じゃなくて、単純な種類の差になってる。

味は違えど、セレブのじゃがバターも正しくじゃがバターだし、庶民のじゃがバターも正しくじゃがバターだ。

つまりは安い素材でもじゃがバターは十分に美味しく作れるということだと思う。じゃがバター界においてはセレブと庶民は平等であった。


セレブのじゃがバター
・ふつうのじゃがバターだ
・熱々で食べたのでバターの美味しさの感動が熱さにかきけされたのかも、という話もあるには、ある
・「これ、カルピスバターなのよ」といえば小料理屋で出せるか


こうなったらセレブの方にも容赦なく醤油かけちゃう(で、かけすぎた)

キュウリと落花生は節約の味

本日のメニューをご紹介した際、「キュウリ」と「落花生」というのが入っていた。これ、私の思い出のメニューなのだ。

ひとり暮らしの時分、休日、二日酔いで昼過ぎまで寝ていて起きたら台風で、家を出るのが億劫だしお金も使いたくないしで、よし、今日は1日家にいるかと思って冷蔵庫を空けたらキュウリしか入っていなかった。そして戸棚をあければ落花生がひとふくろ。

今の私なら間違いなく台風の中でも買い物に出ると思うのだが、当時の私は節約を意識してか、キュウリと落花生を食べながら伊丹十三の「お葬式」をビデオで見てすごしたのだった。


キュウリには塩をつけて食べたんだったけな確か

あのとき私がセレブだったら

もし、あのとき私がセレブだったら、高いキュウリと高い落花生を食べていたわけだ。

いや、セレブならなんか他にもっといい食材が手元にあったんじゃないか、タクシーのってロイヤルホスト(私の考えるセレブのサクッとした食事)に行ったんじゃないかと思うが、ここはひとつ。


セレブのキュウリは3本350円 セレブの落花生は一袋915円

落花生が高い

落花生は「千葉半立」というステッカーが貼られており、庶民版が198円で買えた(これまた安いな)のに比べて915円もした。

ちなみに千葉半立種というのは千葉県の奨励品種で日本では一番古くから栽培されている品種だそうだ。以前、さま〜ずの三村さんが絶賛しているのを見たのもこの落花生だった気がする。


セレブのキュウリと落花生(べつに写真大きくなくてもよかったでしょうか)

おいしいが、セレブなのだろうか

キュウリは、味に違いがあるものの、どちらのキュウリもおいしかった。塩をつけて食べながら、そうか、私はそもそもキュウリが好きなんだなと思った。だからあのときも、ビデオ観ながらキュウリぼりぼり食べたのか。

当然か、落花生のほうは驚くほど味が違う。庶民版が固くスカスカしていて、たくさん食べるとエグさが気になる一方、セレブはもうどんどん食べたい味だ。さすが半立種。

ただ、どうだろう。高いキュウリと高い落花生を食べる私はセレブだろうか。


今回はセレブの写真は大きく載せるルールです

「今回はセレブの写真は大きく載せるルールです」というキャプションまで付けておいて何だが、堂見てもこれはセレブではない。

キュウリと落花生だけでは、さすがにシチュエーションまでもセレブに変えてくれる力はないことが分かった。


セレブのキュウリと落花生
・自宅でもそもそ食べると一気にセレブ感が失われる
・落花生は小料理屋で出すのにはまったく差し支えない。キュウリはもろ味噌でも添えたらいいんじゃないかしら


社長の思い出の味、失敗版

まんがでよく、たたき上げで大成した社長とかお金持ちが大変だった頃によく食べた思い出の貧しいメニューを求める、みたいなことがよくある。

自分で作ってもうまくいかず、ああどうにかしてもう一度食べたいものだと思って主人公に相談すると「それはこんな味じゃないですか」とすっと差し出されるのだ。

おおこれじゃこれじゃと泣きながら食べる社長。

今回私が作ったのは、社長が自分で作ってうまくいかなかった方の味だ。手元にあるのが高級な食材ばかりなのでうまく昔の味が再現されなかった、そのバージョン。

社長にとっては「これじゃない」味は、私にとっては「ほほう……」という味だった。美味しかった。でも、考えてみれば社長は安いほうの味で大喜びしているのだ。だから私も納得してたまに高いもやしを買いつつ、こっちの世界で生きていこうと思うのです。

セレブの焼肉のタレがおいしすぎて、夫はおかきにつけて食べていた

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