追い上げる道場主
各チーム1回ずつの挑戦を終え、ゲームは中盤戦へ。最初に2つめの具にたどり着いたのは安藤・北村チーム。
贅を尽くした鍋に会場大興奮である。北村・工藤チームのお客さんからは、「次は野菜欲しいなー」の声が上がる。誰もがちょっといい気になってしまうくらいの順調さなのである。
続いては工藤・石原チーム。動きはまたもDJオズマ。前回成功しただけあって、余裕の動きには司会陣の二人も「ニューヨークみたい」(林)、「ブレードランナーだ!」(横山)、と思い思いの形容で絶賛。そしてゲットしたのは…なんと…
「カニって言うか、これパンですよね」(横山)
はるばる北海道までカニの買い付けに行った工藤さん。その工藤チームの念願のカニゲットである。しかし、しかしである。鍋を見てまず目に飛び込んでくるのは、パンの存在感。
思わず中継回線をとおして工藤さんに「いま、こちらでパンの上にカニがのっかってる絵が…」とお伝えしてしまうほどである。この場合「…」の部分は省略されているのではなくて、パンにカニが乗ってる絵を形容する言葉がこの世に存在しないだけだ。
続いてはべつやく・地主チーム。前回と同じくスクワット。
何かコツをつかんだかと思われたべつやくさん。結果は…「失敗」。ただ不器用なだけだった。どよめく会場。さっき菜箸でちゃったからペナルティはもうないぞ。ゲームのルールの想定をも飛び越える(逆)活躍ぶりだ。
あとべつやくさんだけに注目しがちだが、こうして見ると中継役の地主さんがかなり不審だ。
加速する(鍋)格差社会
つづいてすでに食パン・カニ・をゲットした工藤・石原チームが、白セット(白菜、もち、豆腐)をゲット。3つの具がそろったので、早くも「あがり」だ。
異常なパンの存在感をのぞけば、正直かなりうまそうである。いやパンだって、この具材ならダシを吸ってかなりうまい可能性がある。会場からも「おいしそー」の声が上がり、司会の二人も「いいじゃないですか」と満足げ。
そこへ割り込んできたのが、まだ具材ゼロのべつやく・地主チーム。「会場が残念な感じになってるべつやくチーム」(林)
一発目の具は、長セット(長ねぎ、水菜、エノキ)。 「野菜を先に入れるのは正解ですからね」(林)
林さんのコメントはあからさまなフォロー。しかしべつやくチームのお客さんからは大歓声である。これで「飲食店で食いっぱぐれる」という冗談みたいな状況からは逃れられる!
そして中盤最後の中継はあんどう・北村チームから。カニ・肉セットと順調にゲットしてきたこのチーム、次は最後の具だが…
テレビ電話の荒い画像に映る光景は、明らかに店内。明らかに駅前のバーミヤン。明らかにビールで乾杯中。
静まる客席。 「安藤さん、全然ウケてなくてまずいからやめましょう!滑ってるし反感買ってます!」(林)
イベント終了後に問い詰めたところ、
「カニと肉まで順調に取ったから、もうみんなやさしいかなと思ったんですよ」(北村)
だそうである。やさしいどころか「なにやってんだ!」一色だった客席。普段温厚な人でも、こと食い物に関してだけは意外なくらいの感情の高ぶりを見せるものである。個人的にも人生経験となった出来事であった。
そしてここまでの結果。
コラムの次は、いよいよ終盤です。
コラム:秋田で東京の闇鍋のソフトを書く
今回の闇鍋システムは、富士通の携帯開発をしている人たちが作ってくれました。ここではその開発についてのご紹介を。
後ろで携帯見ているお二人。左が岩崎さん、右が城後さん。
打ち合わせやらリハーサルやら何かとお手伝いいただいたお二人。どうもありがとうございました。しかしそのバックには、さらに大勢の開発者が控えていた。秋田の開発会社の方たちだ。
この奇妙な動きはある意味、遠く秋田の地から操られているとも言える
イベント中に生まれた「パンにカニが乗っかってる絵」も相当わけがわからなかったが、準備段階では、遠く秋田の地で、「東京の闇鍋のソフトウェアを書く」というもっとわけのわからない絵が繰り広げられていたわけである。