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土曜ワイド工場
 
うまいサバ缶の見分け方教えます


恐い顔した男がちまちまと食べ比べます。

魚には旬がある。ならば魚の缶詰にも旬の時期があるんじゃないのか。

どの時期の缶詰が一番うまいのか、確かめるために食べ比べてみました。

結果は・・、確かに味の違いははっきりとありましたよ。

安藤昌教



旬の時期に作られた缶詰はうまいのか

学生の頃、よく酒のつまみに缶詰を開けていた。温めなくても食べられるので缶詰は便利なのだ。安いときに買いだめしておいて、家には常にいくつもストックされていた。

ヘビーユーザーだったあの頃は特になんとも思わなかったのだが、缶詰って久しぶりに食べると妙にうまい。あんなうまいものが120円とかで買えてしまうだなんて。レストラン業界が全部つぶれないか本気で心配になる。


中でもサバ缶は永遠の定番だ。

ところで以前、「魚には旬の時期があるのだから、缶詰も旬の時期に作ったやつがうまい」、という噂を聞いた。久しぶりに缶詰を食べていてそれを思い出したのだ。確かに、言われてみれば正しいような気もする。

というわけで今回は、いつ作られた缶詰がうまいのか、ポピュラーなサバ缶で製造時期による味の違いを食べ比べてみたいと思います。


こうしてスーパーへ行くたびにサバ缶の製造年月日を調べる日々が始まりました。

食べ比べするにはまず同じ年で製造月の違う缶詰を集めなくてはいけないわけだが、これが予想外にたいへんだった。

同じスーパーでは同じロットの製品を大量に入荷するためか、棚の缶詰が全部同じ月の製品だったりするのだ。全部うまい月のならばいいのだが、そうでない場合はどうする気なのか。

探す過程で記事一本書けそうなくらいのドラマがあったのだが、棚の奥の方に手を突っ込んで崩したり、写真撮って叱られたりした話なんて誰も聞きたくないだろう。


がさっ、と取っても店が同じならばだいたい全部同じ時期のなのだ。

1週間、10件以上のスーパーマーケットとコンビニを調べて見つけた違う製造月の同じ缶詰は6種類。一応春夏秋冬揃っているのでこれで許してもらいたい。


1年分集めるのは趣味の領域なのではないかと。

それでは食べ比べてみます

この先いよいよ食べ比べてみる段階なわけだが、こういうものは僕が一人で比べても信憑性がないだろう。ということで友人に集まってもらった。写真家のお二人だ。


なぜ呼ばれたのかわからない二人。

芸術家に味比べをお願いしました

本来ならば味の専門家を揃えるべきなのだろうが、残念ながら僕の友人には写真関係者が多いのだ。彼らは毎日暗室で酢酸の匂いを嗅いでいるので嗅覚はいかれているかもしれないが、人は失った感覚を補うように他感覚が優れるとも聞いたことがある。なんとかなるんじゃないだろうか。


写真家森さん。映画のポスターとか雑誌なんかで撮影仕事をしている現役写真家。趣味であるトランペットの腕前もなかなかのものだが、さて味覚の方はどうか。

デイリーにも何度か登場している写真家中川さん。この日「昼は築地で寿司を、夜は有名店のトンカツを食べてきました」と言っていた。東京での活動も順調と見えるが果たして味覚の方はどうか。

しかし写真家二人と僕だけではさすがに不安なので、今回場所を貸してくれたこの店の店長、佐藤さんにも加わってもらった。ハンバーガーショップを切り盛りしている佐藤さんならば味にもうるさいはずだろう、という見込みだ。


佐藤さん。ハンバーガーショップAuthentic店長。かつての工藤さん(この頃)を彷彿とさせる風貌だが、彼の作るハンバーガーは本当にうまい。

飲食店を経営しているからといって味の専門家だと決めつけるのは以前飲食店をやっていた僕がこんな具合だからなんともいえないところなのだが、佐藤さんならやってくれそうな気がしている。

食べ比べに使う缶詰は賞味期限が見えないようにしてある。先に製造月を知って先入観が味覚に影響を及ぼさないためだ。


この状態でシャッフルしたので、僕も答えを知りません。

このメーカーのサバ缶の賞味期限は3年ということなので、缶に書かれている賞味期限の3年前が製造月と考えていい。

・・・

今気づいたんですが、僕を含めてこの4人、なんというか絵面が若干地味ですね。


ラッキーカラーは灰色です。

まあいい。

果たしてどの月のサバ缶が一番うまいのか。男4人の孤独な戦いがこれから始まる。



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