ウソはホントにウソなのか
では、なぜ、でまかせなのか。
それは、普通の鍋料理では具材のダシがたっぷりと出たスープと、とろとろに煮込まれた白菜や大根などの野菜が食べ終えた鍋に残り、それが雑炊の味の決め手となるが、ジンギスカンの場合、鍋に残っているのは茶色く焦げたもやしやタマネギと、固くなったラム肉の切れ端と脂だけである。
そこでチャーハンを作っても 、きっと脂っこくて焦げ臭くて、おいしいわけがない。
日常的にジンギスカンを食べている北海道の人なら、こんなウソにはすぐに気がつくのだが、そうではない人にこの話をすると、ほとんどの人から、「へえー、おいしそう!」という返事がかえってくる。
ところが、いつもそこで「ウソだよ。」と説明するのだが、それでもみんな「いや、おいしそうだよ、それ。」と言うのだ。
うーん。
自分ででまかせを言っておいてなんだが、だんだん、もしかするとおいしいんじゃないかって気がしてきた、シメのチャーハン。
そういえば確かに、一度も試したことがない。
ここはひとつ、作ってみるか。 |