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ロマンの木曜日
 
タレをお湯で割っただけ、竹岡式ラーメン


ニワトリはいましたが鶏ガラだしはとっていません。

絵が下手な僕だが、プロのイラストレーターにイラストの極意を教わった。(その記事はこちら)それを活かした千葉の名物ラーメンレポートをご覧下さい。

でもやっぱりイラストだけじゃ忍びないので、マウスオーバーで通常記事ならば使うであろう写真に変わります。

 

やれスープは何で取ってある、こっちは何と何のダブルスープだ。麺は何とかにこだわった何とか麺だ。と小難しいことになっているラーメン界。語ろうとするのはちょっと怖い状況になっている。

そんな中、千葉には醤油ダレをお湯で割っただけのスープにインスタントラーメンのような乾燥麺を入れたラーメンがあり、またそれが人気だそうだ。

なんだその時代の逆行ぶりは、タレをお湯で割っただけって、美味いのか!?実際に食べに行ってきました。

尾張 由晃



予想以上に田舎でした

そのラーメンは千葉県の富津市竹岡というところが発祥で竹岡式ラーメンと呼ばれているという。



より大きな地図で 竹岡ラーメン を表示
ここらへん。

はぁ、千葉でっか。大阪から東京に用があって出てきていたので好都合。同じ関東、すぐだろうと高をくくったのが間違いだった。


のどかな港町。


東京駅から二時間ちょっと、僕の抱いていた関東のイメージとは 違う世界が広がっていた。


ずーっとこんな道だ

弘法大師と一緒に寝れるホテル

バスが来るのは一時間に一本。次のバスは40分後だったので目的の店まで黙々と歩く。海、山以外に何もない。店もないし、人もいない。ホントにこんなところに人気の店があるんだろうか。

 

想像以上の人気店


ここが竹岡式ラーメン発祥の店

歩いていると不意に感じるチャーシューの香り。 地図でも確かにこの辺だと顔を上げるとあったこの店が 竹岡式ラーメン発祥の店、梅の家だ。


大行列!!


入り口に回って驚いた、平日昼間にこの行列。 今まで人に会わなかったのはここに集まっていたからか。 ラーメン店には珍しく、年配の方もたくさんいらっしゃる。 どれだけ地元の人に愛されてるか、一目でわかる。


親戚の家っぽい


しばらく並んで入店すると、すぐに注文を聞かれる。基本のラーメンに、珍しい玉葱の薬味をトッピング。すると店員さんが元気に「ラーメン薬味、黒Y」と厨房に注文を通す。

黒Yって何だ?いったい何の暗号だ。


右の人は青Y


その後も続く謎の暗号。

「大ラーメン、黒V。チャーシュー麺、白T」

あ、服装だ。シャツを着てたら色とY。おそらくYシャツのY。Vネックを着てたら色とV。この店は伝票が無くて服装で客と商品を管理している。忙しさ故か、それで管理できるのがすごいと思う。

 

ホントにタレをお湯で割ってるだけ

みんな手際よく仕事をこなしているがエプロンを着けたおばちゃんだから調理場と言うより台所。まるでお正月に親戚がいっぱい集まって料理しているように見える。


まるで親戚一同。


気になるのはホントにお湯でスープを作っているのかだ。

チャーシューを入れた寸胴からタレをすくってどんぶりへ。そして水をつぎ足し沸かし続けている所からひしゃくでお湯をジャバー!

お湯だー!

そこに茹で上がった麺を入れる。チャーシュー載せて、玉葱載せて、出来上がり。

「はい、黒Yあがったよー!」僕の元に届けられる。

 

心温まる、落ち着くラーメン


美味そうじゃーん!!


作り方だけ見たらとても美味しそうには見えなかっただろうが 実物見るととんでもない。見た目はもちろん、醤油の香ばしい 香りとみりんの甘い香りが食欲を掻き立てる。


麺はまんまインスタントの袋麺を想像して貰えば良いです。

甘辛いスープが麺によく絡み、玉葱のシャクシャクした食感が心地良い。スープも染みて玉葱は意外にラーメンに合う。そして厚切りのチャーシューが5枚入り、なかなかのボリュームだ。

初めて食べたのになぜか落ち着く。おばあちゃんが作ってくれたインスタントラーメンの味を思い出した。


このときはサンマ寿司を作ってくれたけど。


子供の頃おばあちゃんの家に行くと煮物とか漬け物ばかりの食事で子供舌には辛かった。ハンバーグ食べたい、ラーメン食べたい。我が儘言って作ってもらったインスタントラーメン。

煮物はうまく作るけど、慣れないラーメンは麺がのびていたりしたそんなラーメン。ラーメンを思う存分食べられるようになった今、煮物が食べたくてしょうがないのは皮肉なものである。

年配の方が多くいらっしゃった理由も今ならわかる。竹岡式ラーメンには温かさがあるからだ。

 

他のお店も落ち着く味


ゆで汁ごと麺をジャバー!


他のお店も回ったところ、お湯じゃなく、ゆで汁で タレを割っていたり、生麺を使っていたり多少の違いは あったけれども食べたときのホッと落ち着く味が 共通していた。


竹岡ラーメンというお店のラーメン

ラーメン富士屋のラーメン

確かにいろいろ小難しい事言って、複雑な味を楽しむのも良いけど、こういう庶民のラーメンも必要だ。というか、ラーメンって庶民の食べ物だったよな、そういうことを気づかせてくれるラーメンだった。

あれ、案外書けた。伝わったんじゃ無かろうか。そんな印象を持っているんですけれどもいかがでしょうか。

こんな拙い絵でありましても、写真よりよく伝えたいことが伝わっている部分もありますな。やっぱりうらやましいぞ、イラストレーター!

でもこうやってイラストを使って仕事をしたんだから僕もイラストレーターって事になるんじゃないか。

こんにちは、イラストレーター尾張です。今後の記事にてイラストを使うかどうかは未定です。

厳しいか…


 
 

 

 
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