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フェティッシュの火曜日
 
ダッチオーブンを使いこなしたい


やはりダッチオーブンは外が似合う。

ダッチオーブンという調理器具がある。

キャンプ好きの間で人気のある鋳鉄でできた蓋付きの鍋で、蓋の上にも炭を乗せられるようになっているため、鍋全体から火を通すことができるのだという。ローストチキンなんかを作るのに適しているという。

今回はこのダッチオーブンを活用したいと思う。

安藤 昌教



「できる」キャンパーになりたい

ダッチオーブンはアメリカ開拓時代から使われていたというほどその歴史は古いが、最近のキャンプブームにより日本でも注目されてきている。

実は僕も友人からもらって一つ持っているのだが、残念ながらキャンプの経験も予定もまったくなく、使う機会がなかった。

このダッチオーブン、使い込んでいくうちに鍋本体に油が染み込んで真っ黒に変わっていくらしい。この色とか艶によって「できる」キャンパーか否か決まるのだという。知らない世界の知らないステイタスは無条件にうらやましい。

僕に関して言えば、まず持っている時点で第一関門突破だろう。あとは使い込みさえすれば「できる」キャンパーになれるはずなのだ。真っ黒つやつやにしてキャンプ場を練り歩きたいものだ。


その前に前準備です。

使う前にはシーズニングが必要

というわけでさっそく鳥とか丸焼きにしたいところだが、ダッチオーブンはすぐには使うことができない。まず表面のワックスを落として代わりに油をしみこませる「シーズニング」という作業が必要なのだ。これには半日くらいかかるという。いよいよ優雅な趣味じゃないか。

秋の気持ちの良い午後、僕はダッチオーブンのシーズニングを始めた。

シーズニングの過程はおおよそ以下の通り

・中性洗剤でワックスを落とす
・水を沸かしてさらにワックスを落とす(必要に応じて2、3回繰り返す)
・オリーブオイルなどを表面に塗って弱火で1時間ほど加熱する
・香りの強い野菜をオリーブオイルで炒めて鉄臭さを取る(必要に応じて2、3回繰り返す)
・野菜を焼き切りゴミを取り、自然に冷めるのを待って再びオリーブオイルを塗り軽く熱する

はっきり言ってすごく手間がかかる。電気オーブンを使えば鳥の丸焼きくらいとっくにできている頃だろう。しかしこの面倒くささを乗り越える時間の、というか気持ちの余裕こそが「できる」キャンパーの証なのではないか。

新しい趣味への扉をたたくため、僕は全ての行程を一つずつこなしていった。


だけど失敗した。

途中の写真がないのはまさかここで失敗するとは思わなかったからだ。

説明書通りにシーズニングしたにもかかわらず、鍋は次の日錆びていた。もうだめだ。こんなん持ってキャンプ行けない。

先日妻の友人にデイリーを勧めたのでこのタイミングで鳥の丸焼きを作っておきたかったということもある。こんなトホホ顔出してる場合じゃないのだ。


しかしながら足早に酸化。

他にも失敗した人どのくらいいるのか、と思い、ダッチオーブンのサイトを見るが、だいたいがすごくうまそうな料理の写真が飾られている。そしてその脇に添えられているのは誇らしげに真っ黒に油がしみこんだダッチオーブンばかりなのだ。


捨てる手前。

失敗から始まる希なレポート

なんだこれ、終わりか。

いや、そこは物は考えよう。ダッチオーブンを使いこなす腕の太そうなキャンパーのサイトは数あれど、シーズニングからして失敗してるサイトはそうそうない。そういう意味では貴重なレポートといえるのではないか。見栄は捨てよう。

今回はこの錆びたダッチオーブンを積極的に活用していきたい。なにせ捨てるにはここまでの時間がかかりすぎているのだ。どうにかして使わないと鬼が笑う(それはちょっとちがう)。



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