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土曜ワイド工場
 
ごくつぶしマシーン


季節は秋になり、今年も残すところあと2カ月となりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

僕は9月に大学という巣を離れ、行くあてもなくさまよっています。さまよっているというのは比喩で、基本的には家にいます。こういう状態を俗に「ごくつぶし」と呼ぶのでしょう。

「ごくつぶし」とは、漢字で「穀潰し」と書くわけで、つまり穀類を潰す作業を専らに行う人の事を指す名詞です。しかし、現代っ子な僕にとっては穀類を潰すのもめんどくさい!

というわけで「ごくつぶしマシーン」を作ろうと思うのです。

藤原 浩一



ごくをつぶすのさえ面倒

ごくをつぶすという動作をマシーンにやらせるということを考えたときに、最初に思いついたのが以下のようなもの。


ごくつぶしマシーン初期イメージ


軸を中心に、延し棒のようなものがぐるぐる回って、途中に敷き詰められたごくを“押しつぶす”というものだ。

だが、上の図では動力として「車」というあやふやなものを使っているために、なんだか不安というか、うまくいく気がしない。あと構造が簡単すぎて余りマシーンという感じがしない。

こんなのではダメだろう。できれば何かお手本みたいなものがほしいと思った。

 

水車小屋を見に行く

ごくつぶしを自動的にガッタンゴットンとやってくれるイメージをする。するとやがて、長閑な水車小屋の様子が頭に思いついた。あれはいいお手本になりそう。

そりゃあお手本じゃなくて、すでに完成されたごくつぶしマシーンじゃないかという指摘は置いておいて、水車を見に行くことにした。

調べてみると、埼玉県の寄居町にある川の博物館というところに、日本で二番目に大きいという水車があるらしい。そこへ向かった。


川の博物館!


ここが埼玉県立川の博物館。埼玉の川の(要するに荒川の)歴史や、それとかかわる人々のくらしなどを体験学習するための施設である。

平日に行ったのだが、たくさんの小学生が社会科見学のためにここを訪れていた。僕はただの自発的な見学のために来たわけだが。


水源から海に注ぐまでを再現した荒川の模型

そこに設置された大洪水ボタン


川の歴史などが分かる建物

の中に多くの子供たちが吸い込まれていく暗い部屋


さて、さっきの記念写真にも写っていたあの水車が、日本に二番目に大きな水車だそうだ。水輪の直径が23mと、お台場にあったガンダムよりでかい。


近づくと大きいよ!

こんなにおっきいよ!


という感じの大きさである。気がつけばこんな写真ばっかり撮っていたという有様だ。

意外と少量の水で回っていたので、水のパワーすごいっと思うとともに、これがガソリンだったらガソリン車だな、それで火がついたら火の車だな、と思った。


このくらいの水の量で、この大きさの水車が回っていた


しかし残念なことにこの水車は、ただくるくると回るだけで、なんらかの動力にはなっていなかった。川の博物館のシンボル的なものなのだろう。

これはまずい、と一瞬焦ったが、すこし奥まったところに水車小屋が見えたのでひとまずセーフ。


よかったよかった


こっちの水車はそんなに大きくないが、小屋の中からごっとんごっとんと音が聞こえてくる。シンボルではなくて、ちゃんと動いているようだ。


木造のメカ

ごっとんごっとん


小屋の外は長閑な風貌だったのに、小屋の中はだいぶメカメカしいモノでいっぱいだった。外側の水車とつながった主に木造の歯車が、木の柱を持ち上げて、落とす。


メカメカしい


「水車とか、昔のものだから再現しようと思ったら結構簡単にできちゃうんでしょ?」とか考えていたものだから、やばい!こんなの無理!とおののいてしまった。

でもすぐ横にもう少し簡単な仕組みの水車小屋が設置してあったので、またもやセーフ。


小型の水車小屋

歯車とかあまりなくて癒される


こちらの水車は歯車がほとんどなくて、外の水車が中の柱を直接持ち上げるような、簡単な構造になっていた。これでも作るの大変そうだけど、これなら真似して作ることができるかもしれない。

というわけで、水車の仕組みはよくわかったので、実際にごくつぶしマシーンを作ってみることにした。(そして、この記事に有用な部分があるとすれば、それはここで終わります。)


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