前回の原稿で秋田の寒天料理を取り上げた。
野菜サラダ、塩、醤油といった、おおよそ従来の寒天料理からは想像も付かないような素材の数々に、読者の方の中には「それはおかずなのか? それともおやつなのか?」という疑問を持った方もいたようである。
えーと、あれらは俗に言う「お茶うけ」らしいです。言われてみれば、どれも適度に甘かった…。
最近でこそ好んで甘い物も食べるようになった私だが、やっぱりおやつよりも断然おかずが大好きだ。もしも寒天でおかずを固められたら、より楽しい寒天ライフを送れるんじゃないか? そしてそれを携帯出来たなら…。
それって、早い話がお弁当革命だろう。
(高瀬 克子)
新しい言葉「寒弁」
不況の煽りか、弁当が脚光を浴びるようになって以来、キャラ弁、ジャケ弁、弁当男子などなど、新たな言葉が生まれているのはご存じのことと思う。
今日はここに寒天弁当、略して寒弁(カンベンと読みます)を加えさせるべく、あれこれ手を尽くしてみたい。
通常、弁当に汁気の多いおかずは不向きとされている。いくらゴムパッキンの付いたフタであっても完璧ではなく、学校や会社に着くなりカバンの底が弁当の汁で濡れていた…という経験のある人は少なくないハズだ。
当然カレーなんてもってのほか、と思われているであろうが、それも今日で最後となる。
寒天で固めさえすれば、カレーが漏れる心配はゼロに等しい。どうだ。これが寒弁だ!
すっかり一大発明をしたつもりになって、「これからは、固めた寒天を電子レンジでチンして食べれば何でも弁当になる!」と思っていたのだが、どうやら話はそう簡単ではなかった。
それというのも、現在私が使っている弁当箱がコレなのである。
チンが可能なプラスチック製の弁当箱も持っていたが、フタの部分が壊れたりゴムパッキンがボロボロになったりしてどうにも寿命が短く、生き残っているのはアルマイト製のこれのみなのだ(さっきカレー弁当を入れていたのは残ったごはんを冷凍するための容器です)。
それに、勤め人ならいざ知らず、学生さんは昼に電子レンジなんて使えないだろう。
ということは、寒天で固めたまま食べても成立する弁当の開発が急務ということになる。