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ひらめきの月曜日
 
農産物直売所でハイテンション

ハイテンション3:問答無用にハイテンション

直売所でわき起こるさまざまな形のハイテンション。中には野菜そのもの以外の部分で、売り手の姿勢がハイテンションというものもある。


一押しっぽいのが「灰」
訴求力あります

道の脇に仮設的にあったこの直売所は、商品につけられている札のテンションが高い。色とりどりに書かれた「究極の味」「防げ!大腸ガン予防」「バカ安い」という太文字は、問答無用に熱いものがある。

左の写真の中央にあるのは「灰」の札。一番押しているように見えるのが「灰」。そして商品は見当たらない。この辺りに謎が深まる。


空回りのようにも見える高テンション

そして大根には「食品のエメラルド」という表現が。大根をそういう風に考えたことってなかったなあ、という勢い。さらには「王者」と冠してダメを押す。

もちろん売り方だけでなく、商品そのものが見るからにハイテンションという場合もある。


がんばり過ぎたサツマイモ
もみがら大袋200円

にょきにょきとかなりの長さにまで育ったサツマイモ。スーパーにはここまでになったものは並べられないのだろうが、直売所ではエネルギーを放ちながら並べられている。選別の過程で弾かれた方の野菜ならではの力強さだ。

右の写真は、かなりの大袋に入って売られていたもみがら。おそらく農業用の使い途があるのだろうが、満杯に入って200円というのを見ると、「何かに使えそうだ」と、「何か」がわからないままに買ってしまいそうになる。ハイテンションのトラップだ。

 

ハイテンション4:逆にローテンション

様々にエキサイティングな直売所だが、ハイテンション一辺倒だと攻め方として単調になる。時にはとぼけた表情を見せてくるあたりに、懐の深さを感じさせるのだ。


惜しい、と言いたくなる
せつなさ漂うワケアリ表記

左のポップの表記は、よく見ると「セロりー」。「り」だけひらがなになっている。ダメだけどかわいい、という見せ方だとしたら、意外と高度な戦略なのかもしれない。

右の写真は「ワケアリ品」の表記に哀愁が漂う。ただでさえせつない内容の札であるのに加え、やや震えた字でじっくり右下がりになっていく「ワケアリ」。そしてなにくそと高さが戻る「品」。買うかどうかはともかく、がんばれ!と言いたくなる味わいだ。


微妙に見たことない野菜だなと思って確認すると…
のんびりした感じの名前

小松菜でもほうれん草でもないし、白菜とも違う微妙な葉物野菜。なんだろうと思って手に取ると、「べか菜」。聞いたことはなくとも、懐かしい響きのある名前。

こうしたちょうど良い具合の脱力感は、どこの直売所にもひっそりとある、種のコーナーでも見ることができた。


もう適当なんだろうか

「○○菜」とつく葉物野菜には特にその傾向が強いようだ。「ビタミン菜」にはまだ野菜の特徴をネーミングで伝えようとする姿勢が見られる。「べんり菜」もやさしく作れるという意味で、ぎりぎりそういう解釈をしよう。ただもう、「よかった菜」については、もはや適当ということでいいだろうか。

緩急自在のテンションで迫ってくる農産物直売所。ここまではいろいろな直売を回って見たことを要素別に見てきた。最後のページでは、特に異彩を放っていた直売所をじっくりと紹介しよう。


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