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フェティッシュの火曜日
 
マイナス50℃体験と南極基地の食べ物事情

 

展示も充実

そんなアトラクション的な企画もいろいろありつつ、やはりここは研究所ということで、研究成果の展示も充実。これがいちいちおもしろいのだ。

まず紹介したいのがオーロラ発生器。内部を真空状態に近づけて放電するとか、詳しくはわからないけどそんな感じのしくみでオーロラを作り出す。オーロラといわれてまず想像するような光のカーテン、あそこまではこの小さな機械では見えなかったけど、あれの正体はこんな光なのだ。


このでかいビンがオーロラ発生器
赤いオーロラは窒素の色だそうです。南極では緑色のオーロラがよく見られるそう

そして隕石に触れるコーナーも。

南極に落ちた隕石は雪の中で冷凍されて、氷と一緒に少しづつ流れて一ヶ所に集まってくる。南極にはそんな隕石拾いスポットがあるそうなのだ。

しかもその隕石は冷凍保存されたものなので、地球環境での影響をあまり受けていない。隕石はマグロと違って、冷凍モノのほうが鮮度がいいんですね。そんなわけで、南極は隕石の研究に最適な場所なのだそうだ。


隕石の写真を撮り忘れたのでこれは別の石です。
火山岩だったかな、忘れた

 

いきものいろいろ

南極の生物の展示もあった。

まず左下の写真が、ライギョダマシ。かなり大きくて、体長が1mとかある。住んでいる場所は水深150m〜500mなのだが、ふつうに釣り糸でつり上げるのだとか。餌はイカだそうです。

そして右がクマムシの一種。恐ろしく強靭な生物で、樽状に縮んで休眠状態になると、ドライアイスで冷凍しても死なないそうだ。この日は動画での公開だったが、これがかわいいんだ。短い手足でよちよち歩く姿はクマというかパンダみたい。そして目もつぶら。このかわいさ、動画で伝わるでしょうか。


のっぺりして真っ黒、けっこう不気味な魚でした
(動画)キャラクターにして商品化したいくらいかわいい

これはコケ坊主。氷の下の湖にいるコケの塊で、この大きさになるまで100年以上かかるとか
ペンギンの標本もたくさんありました

そして観測設備の展示も。このあたりは時間がなくてあまりじっくり説明を聞けなかったので、写真だけ載せておきます


移動のためのスノーモービル(をかっこよく乗りこなす女の子)
野外の活動ではこんな服を着るそうです

こんな無人観測機も飛ばすらしい

 

とにかく全部おもしろくて、開場からきてたのにけっきょく最後まで一日滞在してしまった。

いろんな展示を見てわかったのは、南極研究は南極を知るためだけに行われているのではないということ。

南極の隕石を調べれば宇宙のことがわかるし、南極の氷を調べればはるか昔の地球のことがわかる(前ページのアイスコアの話)。そして人工物の影響の少ない南極は、今起こっている地球の環境変動(温暖化とかね)を調べるのにもうってつけだ。

南極を研究することは、イコール地球のこと、宇宙のことを研究することなのだ。極地研究なんてすごくマイナー分野なのかと思っていたが、今日一日で、南極研究にひきつけられる研究者たち、そのロマンがよくわかった気がした。

ということで、イベントレポートはここまで。ですが記事はまだ続きます。なんと昭和基地で研究をされていた方に、基地での暮らしについてお話を聞くことができました。

 

 

 
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