やる気のない人に会いに行く。
そろそろ日も暮れてきた。方々歩いて疲れもある。 ビール飲んでもいいんじゃないか。そこで向かうはこの見てきて。
店の名前が思い出せないのですが、いつもにぎわっていた立ち飲み屋さんです。 店の前に「働く気力のない方急募」みたいな貼り紙を出していました。どこかに売られるとしか思えない求人内容です。 こんな不景気な時代、まだあの貼り紙は残っているのか気になります。どなたか是非見てきてください!
募集が終了していたらやる気のない人が店にいるはずだ。働く気がないのに店にいる店員にあってみたい。まだ募集しているのならばその経緯が聞きたい。外れなしのこの見てきて。早速向かいますぞ。
東京駅近辺は日曜休み
八重州ってのは東京駅らしい。東京駅となるとまたも身構えるが出口によるのか、そんなにすごくなかった。人もまばらでのんびりしている。こんなものか、東京駅。
すぐにたどりつく指定の住所。確かにあった、立ち飲み屋。 だけれど今日は休みのようだ。そして見つからない募集の張り紙。 すでに働く気のない人は見つかったのか。
周りにもないか探してみるがどこもかしこも休みばかり。 探しにきた日は日曜日。東京駅近辺は日曜は動いていないようだ。
こうも休みばかりだと話にならない。日を改めよう。日を改めるとなるとあそこに行かなければな。
天ぷら屋さんが開いていた
ホテルに泊まり、別件の取材を終えたあと再度向かったのは裏メニューのある天ぷら屋さん。月曜日ならばあいてるか。
開いてたよ。のれんとか無いのな。
開いている。入口から見えるところで天ぷらを揚げている。 おぉ、天ぷら屋さんだ。当たり前だ。
えびを揚げております。
うっひょい、裏メニューの天ぷらだ。と喜び勇んで店内へ。 だけれどあるのは椅子三個。あれ?二階席は?一階のテーブル席は? おかしいぞ。もしかしてこの店は違うのか。 お店のおばあちゃんに聞いてみる。
食べることが出来た場所。
僕「このお店って店内で食べることはできないんですか?」 おばあちゃん「今は保健所が厳しくなって食べていってもらうことは出来ないんですよ。」 僕「そうなんですか。昔は二階とかで食べれたりしたんですか?」 おばあちゃん「いえ、ここですよ(入口のイスを指さす)」
あ、違う。この店は依頼の天ぷら屋さんじゃあ無いようだ。でも折角なので天丼をいただく。
天丼530円。
エビが二本にキスとかき揚げとししとう。ぎっしり詰まって530円。これは安い。写真が小さく見えてしまうのは僕の手が大きいからだろう。カラッと揚がった天ぷらと甘辛い天つゆがすごくおいしい。
すいません、依頼の天ぷら屋さんではありませんでしたが天丼はおいしかったです。
気を取り直して立ち飲み屋へ
あっていたと思った天ぷら屋さんが間違っていた。行かなければよかったなと思いつつも気を取り直してやる気のない人に会いに行こう。
おおぉ、営業始めるといい雰囲気出すなぁ。
昨日とは違いネクタイを緩めたサラリーマンで街がにぎわっている。 これが東京の夜の姿か。立ち飲み屋も昨日とは違う雰囲気を出している。
今日も張り紙は張っていない。やる気のない人はすでに店の中にいるのかもしれない。まずは入ってビールを頼む。
初めての立ち飲みだがこの店は即金で、御代を小さなボールに入れておくのが普通のようだ。周りにならってお金を入れる。 それだけで場に馴染めた感じがする。
冷奴、ビール。夏だ。
続いて冷奴を注文する。何の変哲もない木綿豆腐だがビールと合わさると話は違う。豆のうまみが爽やかなビールを引き立てる。そしてまた進む箸とグラス。
あ、この店ではその張り紙はしてなかったそうです。この店にはやる気のない人は一人もいないと言っていた。
THE・サラリーマン
次に頼んだのは冷やしトマト。大ぶりの真っ赤なトマトが目にもおいしさを伝える。あぁ、夏っていいな。
頼んだものを食べきり店を出る。
次はこの店に行こうか。
次の立ち飲みはこの店で。張り紙を確認するもそこにはない。中に入らねばわかるまい。
お洒落な店内に少し戸惑うがそこに漂う和やかな雰囲気。気さくな店員さんが優しく話しかけてくれる。残念ながらこの店でもその張り紙はしていなかったようだ。
だけどこの店は全員がやる気満々というわけでもないらしい。それが生み出しているのがこのゆるい雰囲気か、凄く居心地がよかった。
それでも頂くビールとポテトサラダ。
丁寧に入れられたビールになめらかなポテトサラダ。色々な食材が入っていて食感が楽しい。進むビールに弾む会話。
やる気のない人の張り紙は知らないが店員さんが通っていた高校では陸上部が足の速い人を募集する張り紙をしていたそうだ。普通だ。
こうやって夜は過ぎていった。
すいません。見つかりませんでした。
おっかなびっくりまわりまわった、見てきてジャーニー東京編。見つけられたものは少なかったけれど僕の東京観は変わった。東京で出会った人たちはやさしい人ばかりだったし予想以上に自然もある。東京、冷たくない。東京、怖くない。
東京で見つけたステレオタイプの大阪。大阪ででんがなって言ってる人に会ったことはない。