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はっけんの水曜日
 
東京で美味しい餃子を食べ歩き

暖簾には「生きてる餃子」の文字が。マジカヨ。

五軒目代々木『手延べでっかい餃子』

五軒目は代々木の「手延べでっかい餃子」。一圓でライス分食べ過ぎたのでやや満腹なのだが。

Kさん「ここの餃子は、皮は良いんだけど、具がもう一息って感じかな。ビールに合う餃子だよ」

松「じゃあビールセット一人前ずついきますか」

店の外にある食券販売機で食券を買ってカウンターに付くと、中国系の店員さんが取りに来てくれる。

カウンターからは厨房が見えて、厨房の中央におかれた作業台でせっせと餃子が作られていた。丸い生地の玉を小さな麺棒でまるめて皮にする。それをサッサと餃子の形にまとめ上げ、丸いフライパンで一人前ずつ焼かれていた。


焼き餃子550円6個(ビールセットは850円で生中付き)


丸々した焼き餃子。焼きたての熱々で1個約92円。

餃子っていうかニラ饅頭のような風情。

まず驚いたのが皮。ニイハオの餃子よりも更にモチモチ。モチモチ度、今回ナンバーワンの座を勝ち取り暫定一位。その秘密はモチ米の粉だという。噛む歯を跳ね返さんばかりの弾力は驚く。これが生きてる餃子の所以か。

具はタップリの豚肉とニラ。野菜が少ないからだろう、皮と具は離れている。皮の中に満たされた肉汁の中に餡の玉が浮いてる感じだ。


皮と具の間にはスペースがあり、小籠包的。

あんまりにも中身汁が多いので、最初何気なく噛んだら中から汁が溢れてテーブルと手帳をべとべとに汚してしまった。数年前少年マガジンで連載していて、汁グルメ漫画という新ジャンルを築いた「天才料理少年味の助」を思い出す汁っぷりだった。


「お汁がピュピュッっと!(味の助の餃子の回より引用)」

最初は戸惑ったが、二個目からは食べ方がわかった。最初に餃子の端を囓って穴を開け、そこからある程度汁を吸ってしまうのだ。そうすればタレ皿に汁を流してしまうことも、テーブルや顔を汁で汚すことも無くなる。

汁感といい、皮の具合と良い、肉多めの餡と言い、ビールと良く合う餃子だった。食べ歩きという企画でなかったらビールセットを一人三セットは注文してたね。でも最後のお店に移動しなきゃならないので、六本木に移動しました。


見るからに高級そうな店構え。

六軒目六本木『新北海園』

最後は高級な中華料理屋さん。なにせ場所が六本木だし、なんか門みたいなのがあるし、その両脇には石で出来た狛犬がいる。今回の原稿料はもう全部餃子で消えてもいいや。そう思って自動ドアをくぐった。

高級なお店の例に漏れず、ここ新北海園も薄暗かった。

松「すみませーん、えーと、水餃子と、焼き餃子ありますか?メニューにないですが。ああ、載ってないけどあるんですか。(いくらかわからないけど)じゃあ焼き餃子も下さい。あとビール2本。アサヒください」

焼き餃子がメニューに載って無くて、ビールも値段を見ずに注文したので結局いくらになったのかよく判らなかった。高級っぽいお店で値段を気にしたら負けな気がして、気にしないふりをしたが内心ドキドキ。


水餃子850円8個


取り分けようのスプーンが付いてくる辺りが高級店。8個で850円なのでつまり1個106円。案外安い。

つるつるいける水餃子。

確かに美味いが、ここまでに食べてきた水餃子と比べると値段的にも味的にも特筆すべき点は見あたらない。敢えて言えば皮がポイント高いが、他と比べて特別美味いかといえば概ね普通。

「普通に美味い」という、食べ物記事でもっとも書いてはならない言葉を書いてしまうほどに普通だ。うーむ。これは焼き餃子も期待薄か?

と思って待ってたら来ましたよ、デカイ焼き餃子が。


焼き餃子1250円8個


大きくて皮が分厚い焼き餃子。メニューには無いが1250円。1個156円。大皿料理なので数が多いんだな。

ひだが片側にしか付いていない独特の包み方。餃子の包み方比べも面白いね。

餃子全体の雰囲気は一圓の焼き餃子に似ている。皮が分厚くて大きいのだ。皮にはやや芯のような固さが感じられたが、茹でが足らないのか好みの問題なのかは不明。

具はとにかく高級な味がした。単純な油や肉汁の味ではなく、深い旨味と甘味が感じられた。食彩の王国風()に言うと「滋味深い味」だ。よくわからないが金華ハムとか干し貝柱とか、その辺の素材感が感じられる。これで1個あたり156円なら高いとは感じない。1個50円の餃子も良いが、こういった高級な味の餃子も良いと思う。

※・・・関東では日曜の朝にテレ朝で放送してるグルメ番組。毎週食材のテーマを決めて特集する。ミョウガとかネギ、グリーンピースみたいな地味な素材も特集するのが素晴らしい。続けて見てると、「これ、前回のついでに取材したな」みたいのがあって面白い。なにかと「滋味深い」と表現するのが特徴で、池波正太郎とか向田邦子の文章が良く引用される。味の表現をパクる勉強するために欠かさず見ている。


具がなんなのか本気でわからない。ただ、美味いって事だけはわかる。

以上、六軒を巡って12皿の餃子を食べ歩いてきた。とても満足したのでまとめに入ります。


ふー、満足満腹。3時半くらいに行ったのでちょうど飲茶って感じでした。

餃子を沢山たべられて満足です

餃子って料理は面白い。安い餃子は安いなりに美味しいし、高い餃子は高いなりに高級な味がして素晴らしかった。今回行ったお店はKさんお勧めの美味しい店だが、他にもきっと美味しい餃子を出す店がたくさんあるに違いない。

宇都宮とか静岡の餃子が有名だが、東京の餃子だって相当に美味しいのだ。また今度、東京の餃子屋さんを巡ってみたいと思う。次回もよろしくお願いします>Kさん。

今回のお店では、

通いたい賞:「一圓」「ニイハオ」
ビール賞:「手延べでっかい餃子」
年に一度行きたい賞:「新北海園」
単品賞:「華興の円満餃子」

って感じ。ああ、もう一巡したい!


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