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はっけんの水曜日
 
丸い石が集まる町がある

丸石神ハンティングのコツを大公開!

歩いてみてわかってきたことだが、どうやら丸石神はむやみやたらに置かれているものではないらしい。このページには今後みなさんが丸石神を探しに行く際に手がかりとなる情報が満載されているので絶対読んだ方がいい。

吉城さんの経験から、丸石神がいそうなポイントを教えてもらった

・寄り合い所、公民館など、人が集まるところ
・交差点や辻のような道が交わるところ
・昔からある集落や大きなお屋敷の中

この条件を胸に町を歩いていると、ちゃんと丸石神に出会うことができるのだという。


こういう寄り合い所の近くには丸石神がいることが多い。
やはりいました。

しかしなにしろ手がかりは数十年前に書かれた資料のみなのだ。初めて歩く町で石を見つけるというのは想像以上に難しいことではないのか。

「ちょっと待って下さい、ここ、いそうですよ。」

突如吉城さんのアンテナが反応した。同時に彼女は道を横切って行く。その行動力たるや、車に轢かれないか心配になるくらいだ。


「ここ、いそうですよ!」

「やっぱりいましたね。」

満足そうに彼女が指さす先にはやはり丸石神がたたずんでいた。


お屋敷の敷地内にある小さなほこら。
その隅にもやっぱりいました丸石神。

問題:どこにいるでしょうか
正解:塀の中

お隣はやっぱり集会場でした。

神様に対して不謹慎な表現かもしれないが、この昔の地図をたよりに石を探し歩くというのは、一種宝探しに近い感覚がある。

「夢中になって山の方まで石を探しに行ってしまって、帰るのに困ったことがあります。」

石が昔の地図の通りに存在しているとそれはもちろんうれしいのだが、道や建物が変わってしまっている場合でも、移設された先の石を見つけたときにはまた格別だ。吉城さんが「はまる」気持ちが僕にも徐々にわかってきた。


こちらは公民館の前。
やっぱりごろんと置かれていました。

時が経っても変わらないもの、それが丸石神

「たぶん丸石神は私たちの世代より何代も前からずっとここにいるんですよ。で、またこれから何代も後にもたぶんここにいる。ただの丸い石なのに、ですよ。」

確かに建物は古くなれば建て替えられるだろう。山も削られるかもしれない。しかしただでさえ普通の丸い石は、ずっと丸い石のままなのだ。普通だからこそ変わらない。それが丸石神なのだ。

「ここに来ればいつでも会えるんだ、って思うだけでうれしくなるんです。」

彼女の笑顔が丸く見えた。


道が交差する場所にころころと置かれていたりする。
「この子はお正月になるとかなり飾り付けられるんですよ」

ときに無造作に。
ときにうやうやしく。

しかし石は石。
存在感はあくまで控えめだ。

吉城さんと一緒に4時間ほと丸石神を探しながら町を歩き回った。かなりたくさんの丸石神を見て回ったように思ったのだが、吉城さんの地図を見るとそのほんの一部しか回れていないことがわかる。

「次回はまだ未開の地(丸石神探しという観点で)、勝沼あたりを巡りたいですね。」

吉城さんの石探しの旅は続く。





丸石神、はまりますよ

「グーグルマップにストリートビューが搭載されたとき、ああこれでいつでも石が見られるんだ、と思いました。」

吉城さんはここまで石を想っている。

「でも結局ここまで来なかった。」

いつかここまでカバーされるといいですね、と言ってみたものの、実のところこの「足で探す」過程が面白いと思うのだ。電車を使えば僕だって家から2時間で石探しに来られる。そう思うと手帳を開けて次の休みを確認してしまいました。

丸石神は確かに「はまり」ますよ。

今度の石リレーは山梨ゴールで。

 

 

 

 

 

 
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