もう一回伝えておきますが、何も作りません
以前の記事からの一枚なのだが、ここでそれっぽく見えるのは、やはり頭に巻いてあるタオルがあるからだろう。このときは手持ちのタオルを適当に巻いたのだが、長さが微妙に足りずに巻きづらかった覚えがある。
しかし、専門店に行けば頭に巻く用途に限定したタオルがあるという話を聞いた。
行ってみたのは作業服や道具類の専門店、ワークマン。目的としていたものは入口すぐのところで見つかった。「ガテンタオル」というらしい。
開封して巻いてみる。おお、確かに頭に巻きやすい形になっていて、無理なくフィットさせることができる。
改めてスーパーの地元野菜コーナーに行ってみたが、生産者感はやはりにじみ出てくる。
さて、このガテンタオルだが、農作業以外にもなじむものがあると思う。ラーメンや餃子といった、庶民的な中華料理だ。その手の店で店員がこんなタオルを巻いているのを見たことがある。
スーパーで買ってきた餃子も、「毎日、味の追求してます!」みたいな雰囲気になる。服が野菜売場のときのつなぎから、グレーのTシャツになってるあたりがその原因か。
絶対だまされてる。こいつ何もしてないに違いない。
そしてラーメン屋でよく見るのは、こんな感じの店主の写真。実体は食べる方専門なのに、こうしてみるとうまいラーメンを作りそうにも見えるから不思議だ。
雑誌での紹介風に載せてみた。ラーメンの写真の隅に写っているのは、作った人ではなく食べた人なので要注意だ。
「私が作りました!」ではなく、「私が食べました!」。そいつ、それっぽいボーズしてるけど、ダシの取り方とかなんにも知らないから騙されたら駄目だ。
さて、料理ではない、もう少しスケールの大きいものも作った顔をしてみよう。
野菜売場でも着ていたつなぎで工事現場を訪れてみる。衣服という記号は視覚に対して強く訴えるもので、ここでもやはり工事関係者っぽくなる。
ただ、何かが足りない。もう少しそれっぽさをトッピングしてみたい。
ここでワークマンで買ってきたヘルメットを購入。関係者らしさの完成度がぐっと高くなる。
工事は予定通り進んでいるだろうか。現場に携わる者に怪我や事故はないだろうか。心の中は勝手に演出すればいい。ビジュアル面ではもう君は工事の人だ。
ただ、今回訪れたのは工事が休みの日曜日。自分が作ったような顔は、本物の人たちに迷惑をかけずにしたいものだ。
目を細めて現場を向けば、ここまでの工事の苦労もよみがえる。雨で仕事にならなかった日、機材トラブルが起きてみんなで力を合わせた日…。
嘘っぱちのリアリティも、その気になれば湧いてくる。人間の想像力は結構都合のいいようにもできるものだと思う。
繰り返しになるが、今回はなんにも作ってない。いろいろと作った顔だけしてみたが、写真を並べると脈絡なく職を転々としている人みたいにも見える。半年おきくらいに両親に一枚ずつ写真を添付して送ったら、心配されること請け合いだと思う。