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はっけんの水曜日
 
水族館"片隅ツアー"への招待

隅っこ道、鑑賞法も極まれり

「海中の森」という展示だ。「海の森にひそむ、命のけはい」というサブタイトルからして、主役は海の森、すなわち海草。そこにひそみし者を探すということで、より隅っこ感の強い観覧となる。


わっさー。
堂々表示され誇らしげな、ワカメ。

よく見れば、白い、なにやらふわふわした、ちっさいのが。
ガラスにピタッと貼り付いてるのを激写。

早 ― これなんですかね・・・?
乙 ― おお・・・ケサランパサランのような。 気づいたらけっこういっぱいいる!表示板にはこれ、書いてないですね(確認したところ、ウミシダの子どもとのこと。植物ではなく立派な動物である)
早 ― こりゃホントに隅っこだわ!こりゃ気が付かないぞ。

と、しばし2人で興奮しきり。今思えばなぜそこまで興奮していることよ・・・と取材メモを見ながら思う。


ほんとになぜそこまで・・・と今は思う。かぶりつき。
普通の観覧者は、こうである。

 

ゲゲゲっぽいと言われた魚

早 ― ここでは表示板で紹介すらされてないんですけどね・・・これが気になって・・・
乙 ― おおおう!巻きついてる!・・・もう君に夢中だ。


ヒトダマのように、ひゅるるるっと泳ぐ。
で、ひょいっと草に巻きつく。何なんだ。

乙 ― なんだろう、この世のものではないような・・・。
早 ― ゲゲゲっぽい(妖怪っぽい、の意か)。誰なんだ君は(あとで確認したところ、トビイトギンポの子供とのこと)
あれがひゅいっと巻きつくところをとりたいですね。

乙 ― 巻きつけ!巻きつけ!
早 ― 巻きつくか否かにこんだけ集中してる観客もいないですね。
乙 ― 動物写真家の気持ちがちょっとわかります。どれだけ待ちゃいいんだ。


巻きつくのを待ってたが結局巻きつかずヒトダマのように泳ぐのみのシーンです。

 

人の顔をあーだこーだ言う


出ました正面顔。
これほど見つめられて何を思う。


早 ― このもの言いたげな顔・・・
乙 ― 魚の正面顔っていいですよね(以前記事にしたこともあります)。 受け口で。
乙 ― 受け口魚のあとにサメを見ると、サメ、ものすごくやる気まんまんに見えますよ。

早 ― 謎でしょうがないんですが・・・なぜ顔ってのがあるんでしょう。
早 ― 顔がある、っていう点では、哺乳類も昆虫も魚も共通ですよね。目や口がてんでんばらばらってのはほぼない。メカニズム的に合理的なのが顔ということになるのか。
乙 ― 目で捉えたのに、あ、そうだ口は反対側のあっちだった!だと大変ですよね。
早 ― どうも顔というのは謎なんです。だからこんなに人類とかけ離れた生き物を見ても、「こいつ誰かに似てるなあ」ということになるんです。
乙 ― この魚、隣のクラスのタカハシみたいだなとか。佐藤さんみたいなトラックとか。
早 ― そういう視点で言えば、もうちょっと目と口が効率的についててもよさそうなもんがコレですよ!


もにゅーん。こういう女優さんいますね。
ぼわーん。某元野球監督っぽいですね。

乙 ― わはははは!(失礼)
早 ― もうちょっと口が近くにあってもいいのでは。

気づいたら普通に魚を鑑賞していることに気づく。

乙 ― 水族館てやっぱ気持ちいいですね・・・。
早 ― つい普通に鑑賞しちゃいますね・・・。


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