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フェティッシュの火曜日
 
オジギソウに似た草にガッカリしたくない

問題です。これはオジギソウでしょうか?

小学校の時の話だが、クラスメイトが学校にオジギソウを持ってきた。

草なのに触ると動く!これまでの人生経験(といってもたかが10年くらいのことだが)を覆す植物の存在に、とたんにクラス中がトリコになった。その結果、みんなでベタベタ触りすぎたために、オジギソウはすぐに枯れた。合掌。

大人になった今でもオジギソウが好きで、見かけるとついつい触ってしまう。ところが、その植物、オジギソウじゃないことが圧倒的に多いのだ。触ってもピクリともおじぎしてくれないときのあのガッカリ感。ぬか喜び。落胆。むなしさと悲しみ。

二度とあんな目に遭わないためにも、どれがオジギソウでどれがそうでないのか、きっちり見分けられるようになりたいのだ。

(text by 石川 大樹



※みなさんにもうろ覚えのオジギソウの記憶と格闘してほしいため、本物の写真は終盤に掲載します。とはいえオジギソウを今まで見たことがない人は記事の意味がわからないと思うので、先にこちらの写真を見てください。


ホームセンターにて

まずはとある植物の写真から見ていただこう。


こういうの

上の植物は、近所のホームセンターで見かけたものだ。茎の左右に細長い葉っぱが並ぶこの形。まさしく、小学生の時に見たオジギソウの葉と同じ形である。あのときは小さな鉢植えの草だったが、それが木になって、しかもこんなにもっさり生えている!


木にもっさり!
さっそく触ってみる

「触り放題だ!」と思ってさっそくペチペチ触ってみる。しかし植物は、そんな僕からの心のふれあいに対し、完全無視で応えたのだ。

この植物は、観葉植物としてよく売られているエバーフレッシュ。オジギソウではないので、触っても葉は閉じない。まったくガッカリである。

 

南国のニセオジギ

一方、こちらは去年、沖縄旅行に出かけたときの写真だ。


街路樹がなにやら特徴的な形
オジギソウっぽい!

街路樹が全部オジギソウ!ウヒョー!と思って(手が届かないので)石を投げてみたりしたものだが、ザワリと葉を揺らしたのち、放り投げた石は乾いた音を立てて地面に落ちた。またも植物にガン無視された瞬間である。

帰ってから調べてみたら、これはホウオウボクという木であった。たくさん撮影した「沖縄は街路樹がオジギソウだ」というコネタ用の写真(しかも数十枚ある)だけが、いまもSDカードの中でむなしく容量を圧迫している。

 

わかってもらえましたか

以上が、僕の最近のニセオジギ体験である。オジギソウと間違えて他の植物を触ってしまう体験は、このようにとてもむなしく、そして寂しいものである。

こういった、触ってガッカリのオジギソウに似た植物たち、この記事では「ニセオジギ」と呼ぶことにしよう。そして、これ以上ガッカリをかさねて、無駄に心をすり減らすのはもうやめだ。そのためには、オジギソウとニセオジギ、しっかり見分けをつけられるようにならなければ。

 

オジギソウのイメージは

上記の2つ、オジギ「草」なのにいきなり木を持ってきて恐縮だが、なんとオジギソウ、エバーフレッシュと同じネムノキの仲間だ。ネットで調べてみたところ、大きく育つと木になるなんて記述もある(けどならないという記述もあってなんともいえない)。草か木かは、判断の決め手にはならない。

ではどこで見分けるべきか。いまのところ、「オジギソウっぽい」の判断の決め手としているのは、こんな特徴である。


オジギソウの特徴:
・1本の茎から、葉っぱが左右セットでついている
・葉っぱは細長い


先ほどのエバーフレッシュ、まさしくそんな感じ

だが、これだけでは全然不足なのだ。だから僕はしばしばニセオジギに騙されて、悲しい目に遭う。

でももう、泣き寝入りはごめんだ。もっと目利きを鍛えるため、僕は修行の旅に出ることにした。

 

 

 
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