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フェティッシュの火曜日
 
今度こそオルゴールを作る〜電子工作編

 

苦悩の一日

考えても解決策は見つかりそうになかったので、この日はとりあえず寝た。寝て、起きて、会社行った。そうしたからといって解決策が見つかるわけでもなく、焦りにまみれた絶望的な気分の一日が待っているだけだった。イベントは明後日。昼間は会社にいるので、残された時間は、今日の夜、そして、明日の夜。二晩だけだ。

考えに考えて、2つのアイデアが浮かんだ。

(1).鉛筆を濃くする…いままで4Bの鉛筆を使っていたが、もっと濃いのがあるはず。濃い鉛筆の方が黒鉛が多いので、よく電気を通すのだ。

(2).電源を強くする…電圧が下がるのを防ぐのではなく、下がっても大丈夫なようにすればいい。最初の電圧を高くするのだ。

(3).回路設計を見直す…できることなら。(ただしそれができたら最初からここでつまづいてない)

(4).あきらめる…もっとも現実的な解。

 

 

初めて見た

(1).鉛筆を濃くする

まずはできることからやってみよう。会社帰りに東急ハンズに寄って、「いちばん濃い鉛筆をくれ」といった。登場したのがこの10Bだ。10って。2ケタですよ。

 

 


犬の絵も新調。上は今までの4B、下が10B

犬の絵がちょっとうまくなった気がする。

 

(2).電源を強くする

つづいて電源強化。


元々の電源にさらに電池を追加
光った!

鉛筆&電源、2つの処置で、一応LEDは光った。しかし電源を追加したのは、実はちょっと危険なことだ。電気がちゃんと鉛筆の芯を通っている間はいいが、もし鉛筆を通さずに針が直接ふれあってしまうと、高電圧がそのまま流れるで回路がショートするおそれがある。壊れる!展示中は紙の交換などで頻繁に機械部分に触るので、十分ありうる事態だ。

しかもこの方法、LEDを光らせるだけなら電池2個で済んだのだが、パソコンに信号を送るのは、電池を4本にしてもダメだった。ダメダメ、危険すぎる。展示中にショートして壊れたらどうするんだ。この案は却下。

 

ここまでの成果、全貌

勝負は勘と根気の領域へ

こうなったら回路設計を見直すしかない。でも回路設計の知識はない。追加の部品を調達するための店もない(すでに深夜です)。手元にあるものでやるしかない。

完全に勘と見よう見まねだけで、抵抗を入れ替えたり、つなぎ直したりすること数時間。結局、ブレッドボードとarduinoのつなぎ方を変えることで解決した。パソコンまで信号が送られることも確認。やった!

しかしこの変更により、これまで12音使えるはずだった音は、6音しか使えないことになった。あとLEDも点かなくなった。もろもろ残念だが、しかし今は余裕で笑顔だ。いまや高機能を目指している場合ではない。動けばOK。

 

もういいや

あとは針の角度がバラバラな問題が残っているが、使うときに、全部の針が紙面に接するまで押し当てることにした。もういいや。難しいことは。

 

課題いちらん:
○針の角度がバラバラ
  ⇒つなぎ方を変えてなんとかした
○鉛筆のところで電圧が下がる
  ⇒手で押さえてなんとかする

 

(いろいろあきらめることで)おわったー!

 

 

終わってない

そう、終わってないのだ。信号がパソコンまで送れただけで、音が出ていない。この日は遅いのでもう寝て、翌日、つまりイベント前日、一夜漬けでパソコン側のプログラムを組んだ。で、完成。

…って一文で書くと簡単だけど、発音のタイミングが遅れたり、音がうまく出なかったりで、いろいろ変えて結局3回くらい書き直した。朝4時までかかった。


画面ができました
(こんどこそ)おわったー!!!!

 

テスト演奏

 

 

 

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