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ひらめきの月曜日
 
油揚げはどこまで厚くできるのか


もっと厚いのが欲しいんだ。

肉厚の油揚げが好きだ。「油揚げの肉厚ってどういうの?」と疑問に思う方の為に説明させていただくと、つまりアレだ、豆腐の厚みが残っている油揚げのことだ。

「3枚で98円」といった具合に特売されるタイプには中がスカスカで軽い物が多い。一方、ちょっと強気に「2枚で150円」程度の価格帯で売られている物は、ずっしりと持ち重りがして豆腐の名残が強い。

というわけで、油揚げだけはケチらずに重量感のあるタイプを買っているのだが、それでも「分厚すぎる!」と小躍りしたくなるような油揚げにはお目にかかったことがない。

ならばいっちょ、自分好みの油揚げを作ってみようじゃないか、と思い立ちましたのです。

高瀬 克子



つまり、こういうやつです

私の油揚げに対するイメージが「安いのはスカスカ、高いのはみっしり」なことは冒頭で伝えた。

実際に見ていただこう。


スカスカ98円は3枚で80グラムなのに対し、
みっしり150円は2枚で140グラム!

重さを量ってみて驚いた。1枚27グラム VS 70グラム。まさかここまで違うとは。値段=重量か!

油揚げは青菜と一緒に煮て食べることが多い私にとって、ダシ汁がジュワッと口中に溢れるスカスカタイプも魅力的ではあるが、やはりここはみっしりタイプに軍配を上げたい。なんたって油揚げ自体がおいしいのだ。これに勝る判断基準はないように思う。

やっぱり豆腐の部分がしっかりしていると、油揚げとしておいしくなるんじゃないのか?


というわけで木綿豆腐を買ってきました。

「油揚げは買って食べる物」という認識でこれまで生きてきたので作り方など当然知らないが、ま、油で揚げればいいだけの話ですよね?

ちなみに、なぜ木綿を選んだかといえば「絹ごしは水分が多そうだから」という理由に尽きる。

いきなり大変だ

目指すは「肉厚油揚げ」だが、まずは通常の油揚げを作ってみる必要があろう。それ自体がうまくいかないようでは、肉厚どころの話ではない。


が、いきなりコレだ。
失敗した豆腐がみるみる山に。

まさか、豆腐を薄く切る作業でつまずくとは思ってもみなかった。一丁の豆腐から数枚分の油揚げを作ろうと思っていたのに、無事に残ったのはたったの2枚。

…豆腐って本当に柔らかいんですね。


それはもう大事に扱いました。

豆腐を崩さないように慎重にキッチンペーパーで巻き、水分を抜いた。絹ごしにしなくて本当に良かった。

正解が分かりません

高温で揚げたのでは、単なる「揚げ豆腐」になる可能性がある。フワフワと柔らかい油揚げにするには、やはり低温が最適だろうと判断し、さっそく実行に移す。


まずは5ミリの厚さに切った豆腐でトライ。
沈んだまま泡も出ず。…これで良かったのだろうか。

だんだん泡が出てきたかと思ったら、
やっと浮いてきました。

柔らかすぎてひっくり返せないため、フライ返しを使用。
無事にひっくり返し成功。…なんだこのブツブツは!

どういう状態が正解なのか分からないままに作業を進めてきたが、豆腐のブツブツ模様を見てさすがに不安になった。

いや、でも油揚げって豆腐を油で揚げるだけだよなぁ。これで合ってるんだよなぁ。違うのかなぁ。それにしても「油揚げ」って、見事なまでに何も言ってないネーミングだなぁ。そんなこと言ったら世の中の揚げ物全般が「油揚げ」なのになぁ。豆腐だけ特別扱いかぁ。

不安すぎて、頭の中に様々な考えが浮かんでは消える。


すでに20分以上経過しております。
あ、なんか油揚げっぽいくなってきた!

それまで「柔らかすぎて豆腐が崩れそう」な状態だったのが、ある時点から急に油揚げっぽくなった。豆腐は箸でつまんだ時、こんな風には曲がってくれない。

よし、なんとなく近づいてるぞ。(と、この時点では思った)


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