いざやってみると難しいオリジナルかにぱん
「せみぱん」や「もぐらぱん」に対して「それはないだろう」という思いを感じて始めようと思ったオリジナルかにぱんアレンジ。しかし、実際にかにぱんをちぎって目の前に並べてみると、なかなか難しいことがわかる。
もともと提示されているバリエーションが豊かであることもあるが、それは自分がなかなかうまくできない理由にはならないだろう。並べ方は無限大だからだ。
こうしてみると、カニの胴体だけにして「パソコンマウスぱん」としたのもわかるような気がしてくる。パンと向き合っていると、いろんなものが浮かんでは消えていくのだ。
それを納得できるような形にするのが難しい。それでもなんとか作ってみたのがこれだ。
和式便器をモチーフにした「べんきぱん」である。
発想のくだらなさは小学生並みだが、それを和式便器にもっていくというあたりに大人の渋さが感じられる作品だ。ベッドにも見えるのだが、そこはなんとか便器に見てほしい。
メーカー提唱作品ではパンを重ねることをしていないので、その部分はもしかしたらレギュレーションから逸脱しているかもしれない。などという考察もどうでもよくなるべんきぱん。
それにしてもひどい。もう少しかわいらしい作品も作れないものだろうか。
作るモチーフをあらかじめ決めるのではなく、適当に並べていくのが私のやり方だ。しばらくいじっていて見えてきた……これは、ウミガメではないか。「うみがめぱん」だ。
これはありだろう。特徴的な前脚の形を、カニだった頃のハサミでうまく表現できたと思う。
これはびっくりだ。自分の中にまともな子供の心を見つけて驚いた。
こちらは犬の顔をもモチーフにした「いぬぱん」。これもありだと言っていいだろう。やればできるではないか。
楽しくなってきたぞ。そんな様子を見て、妻が「私もやってみる」とパンを並べ始めた。おお、やってみて、やってみてよ。自分以外の発想にも興味がある。どんな作品ができるのだろうか。
黙ってパンを並び替える妻。しばらく経って、右の写真の状態に並べたところで「できたわ」と手を止めた。うーん、わかってあげられなくてごめん。これは何かな?
そう聞くと、妻が言い放ったのは「ガンダムぱん」。
…それはないだろう。どう返答すればよいかわからないでいると、「ガンダムってこんな感じじゃなかったっけ?」と、「ガンダム」で画像検索をかけている。
結果、「あー、ちがうね」とのこと。「角の数が…」などとブツブツ言っていたが、とりあえず自分でわかってくれたようでよかった。
再びパンをいじりだした妻が作ったのは「バナナぱん」。房になっている状態だ。これはわかる。無理をしなくても納得できるものを作ってくれて、私も安心した。
この作業が気に入ったのか、しばらくパンをいじっている。いろいろ試しているうちに、どうやら「線描」という方法にたどりついたようだ。ヘビぱんとクジラぱん。
メーカー提唱のものとはアプローチが違うが、自由に楽しむという視点から考えればありだろう。それでもヘビぱんはジャッジに迷うが、クジラぱんは潮を吹いているあたりに工夫が見られるのでよしとしたい。
他にもいろいろできそうだ。今度は知人家族にお願いして、作ってもらうことにしてみよう。