面接に使えないだろうか
回転、回転、回転と念じて思いついたのが、面接だった。
学生のころ、面接試験の練習で緊張のあまりドアを開けて閉めるときにドア前でなぜか回転しちゃうことってなかったろうか。
それだ。そこで首を切れば、失敗をフォローしてなおものすごく印象付けられると思うのだ。
というわけで、ニフティの会議室に移動した。空いている会議室を押さえただけなので全くの偶然なのだが、実はここはまさに私が面接を受けたときに使われた部屋なのだった! ゴゴゴゴゴ。
通常、面接などの際に部屋へ入室するときの手順はこんな感じだ。
1.ノック 2.呼ばれたらドアを開ける 3.横向きになってノブを持ちかえ、閉める 4.正面に向き直る
問題は4だ。元の姿勢の状態に向き直れればいいのだが、横を向いた勢いでそのまま回転してしまうことって、よくあると思うのだ。
そんなとき、首さえじっと試験官の方を向いていたら好印象じゃなかろうか。そうだ、そうだろう。
どういうことかというと、こういうことだ。
面接もいよいよの最終面接。社長と役員がずらりと並ぶ会議室へ入室して、ターン。
どうだろう!
私もできないながらにまた練習した。
晴れて入社した
というわけで、私は面接に受かってこの会社に入社することができた。
入社したての何も分からない私は、とにかくできることから仕事をすることになった。まずはお茶出しだ。
……すみません、強引に流れを作っております。面接へのダンスの応用はズバリ絶対に採用されない見本みたいになってしまったが、次はお茶出しにダンスのターンを応用させてみたいと思う。
これまで1回転のターンを念頭にしていたが、1/2回転や1/4回転でも首は切れるのだ。
首だけためを作ってパッと切り返す、これもダンスの振りによくあるようだ。
古賀の小芝居に気をとられずに、乙幡ダンサーの動きにだけ注目していただけただろうか。
モーレツ社員の気持ちで
このお茶出し、面接以上に練習したのだがやはりなかなか上手くならない。うーんうーんと唸りながらお茶を出しては引っ込めを続けていると、乙幡さんがとっさに
「モーレツ社員の気持ちで!」
とアドバイスしてくれた。いや、なんかきびきびした動作がモーレツ社員っぽいなと思って、とのとっさの一言だったようだが、確かに言われてみるとダンスというよりモーレツ(うっとおしい、とも言う気はするが、気にしない)だ。
出来てない上に、お茶を出し忘れてもう何がなにやらだ。
しかし、分かったことも1つある。乙幡さんの見本を見て気づいたのだが、こういう動き、コメディドラマとかで見かけるぞ、と。
お局さまがプンプン怒ってどっかに行っちゃうときとか、かっこつけた人がくねくね登場するときとか。
そうか、私たちはコメディをやっていたのか。
そんなら、いっそもっとコメディになっちゃえばいいじゃないの。会社で回転といえば、とっておきのコメディ的なものがあるのを忘れてませんか。