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ロマンの木曜日
 
甘い赤飯を食べる

その名も「まめ玉」

お店に入ってメニューを見ると、ありました「まめ玉」という文字が。
シーチキン好きの僕としてはその上のも気になりますが、もちろんまめ玉を注文しました。
しかし、メニューを見ても味の想像がまったくできません。
どんな味のお好み焼きなんでしょう。


まめ玉…520円

焼いてもらいます

日本は、日常的にお好み焼きを食べる地域と、そうでない地域とに二分されるのではないか、と関東よりも西を訪れるたびに思います。
たとえば、僕の祖母はお好み焼きを作ったりしなかったし、近所にお好み焼き屋さんもありませんでした。
僕はお好み焼きが好きなので、食事の選択肢にお好み焼きがふつうに並ぶ地域がうらやましいです。
しかし、門外漢的な気後れもあるので、お店でお好み焼きを食べるときは、お店の人に焼いてもらいます。


じゃあ、焼きますよ

まめ、入ってます

お店の方が、慣れた手つきでまめの入ったタネをかき混ぜます。
豆というと、甘く煮た煮豆をイメージしていたのですが、この豆はゆでただけのようです。
それを聞いて、ちょっと安心してしまいました。


けっこうたくさん入ってます
余談ですが、とてもきれいなママでした

焼いてくれているあいだ中、ずっと「豆を入れるのの、なにがめずらしいん?」と言っています。
子供のころからずっと、豆の入ったお好み焼きを食べているので、逆にこんなにおいしいものを入れない方が信じられん、のだそうです。


ジューっという音は僕が知っているお好み焼きそのもの

めずらしいですよやっぱり

あんまり「めずらしくない」と言われるもんだから、僕もだんだんこれは普通なんじゃないか、という気がしてきましたが、鉄板の上に乗せられたタネを見ると、やっぱりめずらしいものだと思いなおします。
見慣れたお好み焼きができあがる風景の中に、ぽつぽつと金時豆が顔を出しているのは、そうそう見られるものじゃありません。


色どりはきれいです

焼いているときのにおいは、一般的なお好み焼きと変わりません。
豚肉やイカが入っていないので、香ばしいかおりはしませんが、かといって豆のにおいがするというわけでもありません。


もう、見た目は普通のお好み焼きに
どうぞ、食べてみてください

いただきます

僕が不安そうな顔をしていたのが伝わったのか、「お口に合うかな」という言葉と共に焼きあがった豆入りお好み焼きが出されました。
割ってみると、豆の感触がヘラに伝わります。
この時点でも、味の想像はつきません。
お好み焼きも金時豆も食べたことはありますが、一緒になったらどうなのでしょうか。


豆ですね、たしかに

おお!

カウンターの隣には、地元の常連さんがずらっと並んで座っています。
みんな僕の一口目に注目です。
もしおいしくなかったらどうやってごまかそうかと考えながら、あつあつの「まめ玉」を食べてみました。

あ、豆ごはんです。
ごはん+豆の豆ごはんと同じ法則です。
お好み焼きと豆なのですが、豆がふっくらしていて、ベースのお好み焼きの歯ざわりのアクセントになっています。
味も豆のほんのりとした甘みが、お好み焼き全体の塩味を引き立てている感じがします。

大トロとか、ウニ丼とかのはっきりと主張するおいしさではありませんが、素朴だけれどまた食べたくなるおいしさです。
正直にいうと、こんなにおいしいとは思いませんでした。

お話を聞くと、家によっては少し砂糖を入れて甘く煮た金時豆を使う場合もあるようです。
ちなみに鳴門では、ちらし寿司の具にも金時豆を使うそうで、こんどはそれも食べてみたいと思いました。


ほくほくしていてうまいです
常連さんに鳴門の歴史などを教えてもらいました


おとぎの国

徳島県鳴門市撫養町小桑島字前浜



 

 
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