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不安な土曜日
 
勝手に競って勝ちにいく

男子富士そば決勝

続いての舞台は、「富士そば」である。


第2ラウンド、富士そば

猫舌の僕は、いつも富士そばで屈辱を味わっている。僕が食べている間にお客が2回転したりして肩身が狭いのだ。

しかし、今日は勝つ。
渋谷スクランブル金メダリストとして、勝ちにいく。


男子富士そば日本代表

富士そばでの戦いは、1対1で行うことにした。

僕は先に注文しておいて、後から隣りにやって来る人を待つのだ。隣りに来た人が食べ始めたら試合開始である。その人と僕で、どっちが先に食べ終わるかを競う。もちろん、勝手に競うので対戦相手は普通に食事をするだけだ。

隣りに座るのはどんな人なのか?
まだ見ぬ敵に脅威を感じつつ、いつも通り「天玉うどん」を頼んでおいた。


水投入

天玉うどんの中に水を入れて汁の温度を冷ましておいた。


Replay

天玉うどんに水。いつもやっている行為なのだが、これは国際試合である。もしかしたらドーピングと見なされてしまうかもしれない。

でも、大丈夫。
なぜなら、ルールは僕が決めるからだ。

猫舌の人は水を入れてもいい、という項目を男子富士そばのルールに追加した。

と、その時!
ついに僕の隣りにダークスーツに身を包むサラリーマンが座った。

対戦相手の登場だ。

僕と対戦相手は背を向けて座っているので、相手が食べ始めるタイミングが分からない。写真を撮っているスタッフに合図を送ってもらうことにした。相手が食べ始めたら机を叩く。それがスタートの合図である。


よーい!

スタート

画面を説明しよう。

左上の「WR」「SR」は渋谷スクランブル決勝と同様、ワールドレコードと渋谷レコードである。記録は今回も適当だ。

それぞれ、「麺」「汁」「具」の進み具合を数値で表している。柔道の「技あり」「有効」「効果」をイメージしてみた。全ての数値が100に達したら完食で、そのタイムを僕とダークスーツ選手で競う。


40秒経過、ダークスーツが一歩リード

試合の様子を見守る店員さん(ジャッジ)

水を入れたにも関わらず、熱い。勢い良くかき込むことが出来ない。

一方、ダークスーツ選手からはズルズルと景気の良い音が聞こえてくる。
かなり差が開いているようだ。


ダークスーツ選手、汁を飲み始める

なんと、試合開始から1分も経たないうちに、ダークスーツ選手は器を傾けて汁をすすり始めた。

僕はまだ半分も食べていない。


ダークスーツ選手、完食!

記録、1分22秒

相手が悪かった。

ワールドレコードの1分25秒を0コンマ02秒上回る、1分22秒という記録でダークスーツ選手はゴールしてしまった。


男子富士そば決勝の結果

結局、僕は5分近くかかってゴールした。
たとえ負けが確定したとしても最後まで走り抜く。

それがスポーツマンシップというものだろう。

「富士そば」はスポーツじゃなくて食事だけど。





話は宝くじに戻る。
当たった12600円の換金は来週の月曜日からである。そのお金で次の宝くじを買おうと思っている。この波に乗っておくべきだと思うのだ。

今年中に大当たりが来るような予感がする。

もし、高額が当たったとしたら……、
その時はきっと内緒にしていると思います。

(おわり)




 
 
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