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フェティッシュの火曜日
 
暗渠歩きのたのしみ

ポイント2: 合流点さがし


暗渠を上流にむかってさかのぼると、途中で道がたよりなく分岐していることがある。

たとえばここ。


向かって右奥に伸びるのが暗渠の本道。で、よく見ると左側にも細い道が見える。

つまり、ここでは道が二股に分かれている。ふつうはこういう道は「Y字路」っていうだろう。でも暗渠の場合はちょっと特別な意味をもつ。ここは川どうしが合流した地点なのだ。

ほかにもたとえばこんな地点。


まんなかで合流してる


これも道として見るとごくふつうの二股だけど、川どうしの「合流点」だったと思うと、風景が急に違ってみえてくるようで、楽しい。

ところで、最初の写真の道の奥に八百屋さんがあった。


ここです


古くからここで営業しているようだったので、裏の道の以前のようすをたずねてみた。60歳ぐらいのご夫婦で、答えてくれたのは奥さんだった。

「店の裏の道?ああ、いまの道幅と同じで、それなりに広い川だったよ。」
「そこの裏にも一本川があったんだよ。だいぶ前に埋めちゃったけどね。」

とのことだった。もう一本の川というのは左に見えた支流のことだろう。地元の方にお話を伺うことで、「ほんとに川だったんだー」という実感が沸いてくる。


むかし川だった?(むりやりな想像図)

 

ポイント3: 暗渠以後の道は根本的に違う


川が暗渠化される前からある土地と、その後に作られた土地では、その道の作り方に決定的にちがう点がある。そういう道の違いを見るのもたのしい。

たとえば次のような道に出くわすと、一目で暗渠化以後に作られたことが分かる。


この道は怪しい!


道が新しくてきれい、ということだけじゃない。川に横道はありえないのだ。

たとえば、暗渠の典型的な風景はこんなかんじになる。


典型的には裏道


なんせ前まで川だったわけなので、そこを道として積極的には活用してない。だから玄関もそっちに面してない。そして川だったので当然横道がない。あるとしたら川を横切る橋だけだ。

それに対して最初の写真は、団地の建物の玄関口が川に出る気マンマンである。舟で出かける気なのか?といいたくなるほどだ。


川に出て何をする気なのか?


つまり川にフタがされて、すっかり道となったことが前提となった後に作られた土地だということが分かる。

「〜が分かる」とかえらそうに書いちゃったけど、だからどうということは特にないです。


 

 
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