打倒換気筒

もっともっと匂いを嗅がなきゃダメなんだけど良いポジションは換気筒にとられているし筒の吸引力はものすごい。客を差し置いて料理を堪能するとは何事だ。（空腹でいらだっている）

筒なんかに負けてたまるか。そのくらい僕だって出来るぞ。換気筒のポジションを取って代わってやる。そうすれば奴が吸っていた分が全て僕に来る。もう満腹はすぐそこだ。

けむい。凄いけむい。ポジションチェンジしたとたん一瞬で煙に包まれた。呼吸が出来ない、焼肉の匂いなんて一切無い。煙の匂いだけだ。火事だ。生命の危機だ。平然とこなしてるから簡単だと思ってたけど凄い仕事してたんだな、筒。「これじゃポジション争いだけで体力を使い切ってしまう……筒はすごいのとやってるよ……」と思った。角田さんが。

匂いはあまり嗅げなかったが空腹は紛れた。生命の危機に瀕した場合は空腹などどうでもよくなるようだ。

秘密兵器第二弾

七輪全部を覆ってしまったから煙の直撃を受けたんだ。ということは肉一枚一枚に焦点を当てればイケるんじゃないだろうか。じゃあこっちを使おう。

すごいダイレクト！焼肉の匂いが直接伝わってくる。さっきまでとは感じ方が段違いだ。さすがは鼻の進化具合がダントツの生物、象をモデルにしたアイテム、メカニカルパオーン。夢中で嗅ぐ。あぁ本当に焼肉って良い匂いだわ。と思ってるうちに。