●作戦その2 「ライトボックスカレー作戦」
ぼくは編集プロダクションという業態の会社で働いている。編集プロダクションというのは出版社などから依頼を受けて、雑誌の編集業務や取材などを代行するのが主な仕事だ。
取材後は撮影した中から、もっとも誌面のイメージに合うものや読者の目を引きそうなインパクトのある写真を選んだりもする。
その作業に欠かせない道具がこれだ。
お次は、このライトボックスを活用して早弁を試みる。そう、こんな具合に。
一見すると、熱心に決めのカットを選んでいるようだが、お気づきだろうか。彼は早弁しているのだということを。
自らの職業を逆手に取った早弁の技で、これも悪くない手だ。写真を丹念に選ぶ姿勢は、誌面作りに妥協を許さない編集者の在り方を後輩に示す効果もある。
成功してるけど、どうなんだ?
ここまでの作戦は見事に成功している。後輩はぼくが早弁していることには全く気付いていない様子だ。というよりもぼくの行動自体にあまり興味がないようにも思える。
それはそれでうっすらと悲しいが、であるならば前方に対してはあまり注意を払わなくてもいいのかもしれない。次は横の守りを固めることに注意を払いたい。