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はっけんの水曜日
 

鉛筆でトーテムポールを作ろう

写真の意味は後ほどわかります。

そういえば最近めっきり鉛筆を使う機会が減ってきた。メモはボールペンで取っているし、マークシートもシャープペンシルで塗りつぶしてしまう。

先日、ロトシックスのマークシートを備え付けの使い捨て鉛筆で塗りつぶしながら考えていた。自分で削ってときときにした鉛筆でこの枠を塗りつぶしたらさぞ気持ちがいいだろうな(そしてもしかしたらそのほうが当るかも)と。

早速鉛筆を買ってきて削ってみると、鉛筆を毎日使っていた当時の記憶が蘇ったのでした。

安藤昌教


鉛筆、久しぶりです

僕は中学くらいまでは鉛筆をメイン筆記用具として使っていたし、高校に入ってシャープペンシルに乗り換えてからも筆箱には常に数本の鉛筆が入っていた。それが今では家中探しても一本も出てこないのに驚いた。

久しぶりに手にした鉛筆は不安になるくらいに軽く、同時に思っていたより長く感じた。

 

こんな長かったっけ。

親に鉛筆を買ってもらう度、僕はそれに彫刻を施していた。彫刻といってもたいした物ではなく、なんとなくカッターナイフで顔らしきものを彫っていたように思う。初めは鉛筆のお尻の方に顔を一つ彫る程度だったのだが、徐々にエスカレートして体が付き、さらに上下に顔が重なり、いつかトーテムポール的なものを量産するようになっていた。家でも学校でも手元にある鉛筆はすべて背中側を削ってはトーテムポールにした。それが当時学校で流行っていたかというと、たぶんそうでもなかった気がする。

鉛筆を削る。  
曇り空の下。 ただ黙々と。
中学に入ると僕は急激に視力を落としていった。親は勉強の成果に対する犠牲として仕方がないと思っていたようだが、実は直接の原因はたぶんトーテムポールの彫りすぎだ。それほどまでに情熱的に、僕は彫った。
父と母は気づいていただろうか。  

中学に入り自分の部屋を与えられた僕は、さらに熱心にトーテムポールを彫った。実は鉛筆の他にも消しゴムで仏像を彫っていた時代もあるのだが、その話は背景を説明するのがはずかしいので機を改めたい。

その結果、視力と学力がどんどん落ちていった。

時が経ち、今では僕も人の親となったわけだが、子供の視力や学力が落ち始めたらまずまっさきに鉛筆を疑おうと思う。そこに顔があればそれが答えだ。

息子の地味な趣味を。  

みんなやったことあるだろう

先日の企画会議で何気なく

「鉛筆にトーテムポール彫るじゃないですか、あれを思い出してですね・・」

と発言したところ

「いや、彫らないです。」

と皆に否定されてしまった。うそだ、みんな彫ってたのに忘れているだけなのだ。ならばこの記事を読んで思い出して欲しい。みんながトーテムポールを彫ったらいい。そうしたら「見たいわ」に「きみが彫ったトーテムポールみたいわ」って投稿しよう。

 

 

 
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