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ひらめきの月曜日
 
「骨が見えるとおいしそう」を検証

合うんだか、合わないんだか

肉以外に骨が入りそうな物となれば、自ずと条件は絞られる。いくら鶏手羽の骨が細いからといって、何にでも刺せるというわけではない。

まずは、コチラからいってみよう。


ちくわ。穴がほぼ同じ大きさ。
スルッと入ってくれました。さすが。

ちくわの穴の中から垣間見える骨。…これは果たしておいしそうなんだろうか。ちょっと判断が付かない。

ならば、これならどうだ。


うずらの卵は、竹串こそがお似合いのような気もする。
でも鶏(うずら)でカテゴライズするなら、これだって似合っていいはずだ。っていうか、これ刺さるのか?
さ、刺さった!
かかかかか、かわいい。

てっきり「卵が破裂するんじゃないか」と心配していたのだが、なんだ、この可愛さは。

これはアリだ。うずらにも骨があり、その骨を利用してるんだから似合って当然かもしれない。


焼いてなお可愛い。そして、しっくりくる。

ここで止めておけばいいものを「野菜が足りてないな」と冷蔵庫にあったブロッコリーに手を出したあたりから迷走が始まった。実験なんだから野菜が足りてなくたっていいんだよ! と今なら言えるが、この時は本気で「野菜でもイケル!」と思ってしまったのだ。

以下、調子にのるとはどういうことか、とくとご覧いただきましょう。


果たして刺す必要があったのか。いや、ない。
そして骨は刺さらない。ブロッコリーが裂ける。
さらにごはんを包んでから焼いた。これは俗に言う「きりたんぽ」もしくは「焼きおにぎり」じゃないか。
それを骨でやる意味とは。

さすがに「意味あるのか?」という気がしてきたので、ここらで止めることにした。

では、全ての結果を一同に並べてみよう。


こちら、竹串に巻いたり刺したりした皆さん。

こちら、骨の皆さん。あからさまな間違い探しといった風情。

こうして見ると、やはり骨には肉と卵が似合う。なぜ串焼き屋で骨を使わないのか、それは怠慢じゃないのかと問い詰めたくなるほどに、似合う。

 

食べてみよう

作ったからには実際に食べてみての感想が不可欠だ。見た目だけじゃなく、食べてどうなのか。それで総合的な判断しようじゃないか。


豚ロースの串。こういうの食べたことあるわ。
こういうの食べたことない。ないったらない。

一番興奮したのが豚ロース肉だった。普通は歯が串に当たるものだが、ここではそれが骨なのだ。それだけなのに「うおーっ! 骨ーっ!」と心が浮き立ってしまう。

肉を食べたら骨に行き当たる、という原始の記憶が私を興奮させてしまうのか。


鶏の挽き肉。こりゃ完全につくねです。食べ飽きてます。
興奮はするが、豚ロースの比ではない。
ウインナーも、竹串で食べるもの代表ですね。
でも今後は、どうせなら骨で食べたいものです。

肉部門は、どれも骨に軍配が上がった。これはいい。思わず竹串に向かって「なんで関係のないアンタが出てくるんだ」と追い払いたくなったくらいだ。

竹串と相性がいいと思われたうずらの卵にしても、それは同じだった。


合わないことはないのですが、
こちらを食べてしまうと、やっぱり「骨がいい」と思ってしまう

またやりたい(プライベートで)

当初は「骨が見えるだけで価値が高まるか」という目的で始めた検証だったが、2ページ目の頭で早くも挫折し、以降は「串の代わりに骨を」という内容になってしまった。

そういえば企画会議でこの案を提出したとき「それは気持ちが悪いのではないか」という意見が聞かれたが、その通りだったことになる。

ともあれ、竹串の代わりに骨を使うと、相手が肉や卵の場合に限っては「うわあ!」という結果になることだけは分かった。次に試すなら魚肉練り製品を巻いて、おでんとして試してみたいものだが、今度は読者の方から「気持ちが悪い」と言われてしまいそうだ。…やめときます。

ごはんから顔を出した骨を、ちょっとだけ「いいな」と思ってしまった。

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