葉っぱ食べるぞ
吉成さんと伯父様にお礼を告げ、トランク一杯の野菜とともに帰路についた。
帰宅後、大量のブロッコリーの葉っぱを漁る。これ本当にブロッコリーなのか。違う野菜みたい。 「おいしい菜」のように適当な名前をつけて店頭に並べたら売れそうだ。
■ 油炒め
にんにくとごま油で炒めてみよう。あまり若くない葉なので少し硬いが、火を通すとどうなるのだろうか。
おいしい
ブロッコリーの味はしないので、これが何の葉っぱだか 言われないと分からないだろう。 個性的な味ではないが、ちゃんと味がする。青臭くもなくシンプルな味。なんというか、栄養がぎゅっと詰まった味がするのだ。
歯ごたえでいうとキャベツやカラシ菜くらいの硬さ。 若くない葉なのでごわつくときいていたが、これなら全然いける。逆にコシがあるので炒めても量がへらない。むしゃむしゃ頬ばる夢があっけなく叶った。
■ てんぷら
葉もののてんぷらが好きなので、実はこれが一番やりたかった。山盛りてんぷらにできる量の菜っ葉があるってなかなか幸せだと思う。
ブロッコリーは油との相性がよいようだ。カリっとしておいしい。さっきの油炒めもよかったが、揚げると歯ごたえがより進化した。
何回も言うようだけど、食べる毎に捨てるのもったいないと思ってしまう。おいしさと残念さが比例する料理ってなかなかないな。
■ おひたし
次は菜っ葉の基本、おひたし。ほうれんそうなど茹でるとかさが減ってしまう野菜も多いが、ブロッコリー葉の強いところは減らないことだ。すでに長所を見つけてしまった。
ほうれんそうのノリで茹でたらものすごい量になってしまったので一部を盛りつけた。 このおひたしは全然ありだ。油をつかう調理法からガラリと雰囲気を変えた和食の装い。よい方向に味の主張がないので、大量に作っても飽きずに食べられる。
しかしどんなふうに調理してもおいしいなんて逆に恐ろしくなってきた。