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ちしきの金曜日
 
長距離じゃない深夜バスの旅

闇の中、2時間強で到着

ここまでは大宮行きバスの様子ですが、その数日後に東京駅発、神奈川県平塚市行きのバスにも乗ってみました。その距離、約70km。火曜日と平日ゆえか立地の違いか、こちらは乗客少なめで15人程度。しかも椅子はリクライニングで汚物袋付きと若干旅行気分です。


文字通りのラス前出発。
こっちは☆なし。
さっきに比べると悠々で嬉しい。
かながわをきれいに!

とはいえ走り出すとやはり真っ暗&車内は沈黙。今回は霜が降りなかったため窓から夜景もとれるけれど、暗いゆえに「あっ」と思った時には被写体は通り過ぎてる。

平塚かぁ‥鎌倉とかのあたりだよなぁ‥とアジカンの「サーフブンガクカマクラ」など聴きつつ行くも、鎌倉や江ノ島周辺通らないし。BGMでテンション上げる作戦も台無しだ。


皇居前。でも真っ暗。
CDと一緒にJR辻堂駅。意味ないけど。

「湘南××」「臨海○○」「シーサイド△△」‥海をイメージさせる看板はバスを通り過ぎるけど、海は見えず。「目を閉じて何も見えず」と歌うのは谷村新司の『昴』だけど、こっちは開けてても見えやしない。

ともかく発車から1時間半やら2時間が経ち、いずれも終点に到着。当然ながら真っ暗闇、灯りを放つのはコンビニやファーストフード店くらい。乗客たちは降りてすぐ、商店街やタクシーに消えていく。そうか、こっからまた自宅まで移動なんだよな。

タクシー使ったりすること考えれば決してコストパフォーマンスはよくはない。しかし布団に寝る、家族の元に帰る、明日朝イチで子供の運動会が‥さまざまな目的と天秤にかけて皆このバスに乗ることを選んだ。そう考えるとバスの存在がえらく大きく思えるから不思議だ。ちょっと誇大妄想気味かもしれないが。


午前2時30分、大宮着。
同じく午前2時30分過ぎ、平塚着。

あくまで終電に乗り過ごした場合の「最終手段」として使われるのであろうこの深夜急行バス。ちなみにお値段は大宮行きが1900円、平塚行は3870円。電車ならそれぞれ380円、1110円だけに決して安くはないだけに出来れば乗りたくない、でも無いと困る。

あらためて長距離の深夜バスのような「旅行気分」はないけども、それはやむなし。いわば、戦地から抜け出した最後の輸送船のよう。一度乗り込めば終着点まで泥のようにまどろむのみ。そういうバスなのだ、これは。そして降りるやいなや真っ先にトイレに駆け込むのだ。

東京近郊の方は発車場所時間を調べてメモっとくと、ここ一番の時に役に立つかもよ。


翌朝。同じバスでも重みが違う、気がする。

ちなみに平塚の交通広告はノリがいい。

帰る場所がない人は乗らない方がいい

ちなみにわたくしは到着後は漫画喫茶に直行、とコストパフォーマンスは悪いわな。やっぱり旅行には不向きです。夜中3時から始まる奇祭とか‥そんなのがあればいいけども。


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