三回戦は銀座

続いては大人の街銀座へとやってきた。場所の選択にひねりがないのはコーディネーター（安藤）の土地勘のなさを顕著に反映しているわけだが、よくいえば東京以外の人にもわかりやすい東京を意識したつもりなので勘弁してください。

それでは銀座をぶらぶらしながら「かっこいい」と「ロック」を突き詰めていこう。

真剣な表情で対象について語るお二人。

萩原メモより
「西武デパートＡ館とＢ館の間」

西武デパートは建物を分けて渡り廊下で繋いでいる場合が多い。はっきりいって好きだ。中でも銀座店の建物の間から見上げた眺めは最高。中央部にビシッと太陽が来たときを待って撮りたいところだ。

宮城メモより
「大きなビルが重なっているロックな風景」

とてつもなく巨大なものが折り重なっている様がかっこいい。ロックか、といわれるとよくわからないが、かっこよかったので撮影した。

宮城メモより
「銀座のセクシーな裏側」

隣接したビルが取り壊され、赤裸々に明かされたビルの裏側。セクシー。

宮城メモより
「きれいに並ぶセクシーな街灯」

規則正しく並ぶことで生まれたライン。セクシー。

ロック、崩れ始める

銀座では二人が同じ場所で立ち止まって同じ方向にカメラを向けている光景が幾度となくあった。銀座は「かっこいい」と「ロック」が融合しているのか、と思ったのだが、あとでコメントを見てみると宮城さんのコメントが「ロック」ではなく「セクシー」に変わっている。そういう自由な企画ではなかったはずなのだが。彼の中のロック像が崩れ始めたか。

萩原メモより
「西武デパートの渡り廊下の柱」

渡り廊下を支える柱がすごく細い！果たして役に立っているのか。もちろん役に立っているからこそ存在してるのだろうけど、それにしても心配になる細さ。空気を切り裂く柱。外側のカバーを剥いで中の鉄骨がどうなっているのか見てみたい。

宮城メモより
「かっこいいビルの後ろにある配管」

銀座のビルは大きいものも小さいものも、自己主張がとても強い。そのため街の風景に適度な緊張感がある。それが銀座にロックな空気を作り出している。そんな銀座通りに突如表出した配管。表通りから丸見えだということをわかっているのかいないのか、たぶんわかってやってるんだろうからロック。

銀座でわかったこと

「かっこいい」とは

・直線で構成された遠近感
・アイロニーをはらんだ風景
・未来

「ロック」とは

・洗練されたビルの裏側に覗く雑多な景色
・見られることをわかってやっている姿勢

萩原さんの撮る「かっこいい」はとてもわかりやすいのだが、対して宮城さんがロックを忘れかけているようで不安だ。このままロックはかっこいいに含まれてしまうのか、それともこれは単なるフェイントなのか。後者であってほしいところだが、眠そうな顔の宮城さんを見るていると不安になってくる。

次はいよいよ最終対決だ。