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年末年始とくべつ企画
 

でかい!細い!派手だ!「かっこいい」とは「ロック」とは

横綱対決。

「かっこよく撮ってください」「ロックな感じで、お願いします」。どちらもなんとなく耳にしたことのあるフレーズだと思う。

だけどよく考えてみてほしい。かっこいいとはどういうことか、ロックとは何なのか。共通の回答がないように思われるこの二つの表現にテキスト的なものは存在しないのか。

ということで今回は二つの表現の両雄にご協力いただき、「かっこいい」と「ロック」を徹底的に検証してみたいと思います。果たしてなにか結論は出るのでしょうか。

 

(photo by 萩原雅紀・宮城剛 text by 安藤昌教


大きな志を持って始めます

今回この永遠ともいえるテーマに正面から挑むのはこのお二人。「かっこいい」担当としてダム鑑賞会の重鎮萩原さん、そして「ロック」担当として泣く子も笑うエアギター界のカリスマ宮城さん。お二人には暮れの押し迫った時期に無理やり一日空けてつきあってもらった。

「かっこいい」「ロック」に悩んだらこの記事を読み直したらいい、そんなバイブル的なものを作ることを今回は目指したい。

それではお二人、今日は一日よろしくお願いします。



「かっこいい」担当の萩原さん。 ロック担当の宮城さん。

安藤:それではよろしくお願いします。

宮城:よろしくお願いします。
萩原:よろしくお願いします。実は宮城さんとはほとんど絡んだことがないんですよね。たぶん大人の工場見学で撮影係をしてもらったきりなんじゃないでしょうか(この記事です)。
宮城:そんな前になりますか。なんとなく覚えていますよ。ところで僕、鼻毛とか出てませんか。

宮城さんは雰囲気が水辺の生き物っぽいのでカッチリしたものが好きな萩原さんからするとその存在自体が規格外なのではないだろうか。対して荒くれロックパフォーマーの宮城さんからしてみると、インテリジェンスで武装したダム理論の萩原さんはまさに打ち壊すべき存在なはず。われながらいい人選だと思う。問題はよく考えたら「ロックとは」なんて普段悩む機会なんてないんじゃないか、と今になって思っちゃったことぐらいだ。これは僕の中の問題なので口に出さずに進めたい。



お二人には自由に撮影してもらいます。 撮った写真にコメントをつけてもらいました。

 

交差する二人の視線を解析したい

この対照的な二人に今日は同じ道のりを散策してもらい、それぞれが「かっこいい!」「ロックだ!」と思ったものを写真に収めてもらう。すると最後には両表現の例題集みたいなものができあがるのでは、という寸法。簡単すぎるか。

ここはひとつ迷わず始めてみよう。まずは活気あふれる上野アメ横商店街からスタートだ。混沌としたこの町で「かっこいい」と「ロック」は見つかるのだろうか。

歩き始めてまもなく、二人はそれぞれ別の方向に向けてカメラを構えていた。

 

宮城メモより
「チェックの柱」

お洒落でカッコイイチェック柄。赤いラインが全体をきゅっと引き締めている。赤と黒、これこそロックな配色。


萩原メモより
「上野駅前の鉄橋と橋脚の接続部分」

鉄橋はトラスとかリベットとか、それだけでも十分かっこいいのに、コンクリート製の橋脚との接続部分をアップで見てみたらものすごく複雑な造形をしていて思わずゾクッときた。上に向かって広がりながら大胆に面取りしてある橋脚の先端もかっこいいし、鉄橋の台座部分の構造も気になるところだ。こんな物件を間近で観られるハトが心から羨ましい。


すごいわかりやすい

撮影者を隠してもどちらが宮城さんでどちらが萩原さんの写真かいっぱつで分かる。ロックといえばイギリス、イギリスといえばチェック、わかりやすい。対して萩原さんの目線は橋脚。ハトをもうらやむ好きっぷり。

それでは以下、二人がアメ横周辺で撮影した写真を列挙してみたい。何か見えてくるものはあるのか。

 

宮城メモより
「ロックなうどん屋の看板(箸が上下する)」

ぶれてる箸がロックですよこれは。速い動きでぶれた写真というのは躍動感があっていいものです。

萩原メモより
「歩道に描かれていた新幹線」

単に新幹線というだけではなく、上野というだけあってちゃんと地下を走っているところがいい。こういう細かいけど事実に基づいたこだわりは見つけるとうれしくなる。

宮城メモより
「ロックなでかい看板広告」

単純に大きいものってそれだけで迫力ありますよね。

萩原メモより
「利尻昆布」

利尻昆布、という漢字表記からしてかっこいいのだが、声に出してみるとこれがまたたまらない。二度かっこいい。

   

宮城メモより
「ロックなアメ横の看板」

古き良きアメ車を意識したと思われる派手なデザインと、そこにはめ込まれた意表を突いた「アメ横」の文字。シンプルかつ大胆でロックです。「私はこの商店街の顔ですが、ライバルは商店街の熱気です!」みたいなパラドックスを内包している感じがまたロック。

・・いやでもそんなことないのかな。「人々の熱気には負けるけど、でもおれの存在感って凄くない?」っていう自分に対する誇りっていった方がいいのか、まあとにかくこの看板はロックです。


アメ横でわかったこと

「かっこいい」とは

・複雑な造詣、ディティール
・リアリティを追求したこだわり
・利尻昆布、など普段聞きなれない単語

「ロック」とは

・ぶれた写真
・でかい看板
・シンプルかつ大胆なやり口


どうだろうか。

いや、最初からきっちり分からなくてもいいと思う。このなんとなくな感じを大切に育てていこうではないか。元気に次いきます。

 

 

 
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