工場は古い友達
まずは工業地帯にある公園にやってきた。釣りをしている人が多いが僕らの目的は運河の向こうの工場である。
大山 「お、フレアスタック。」
大山さんが煙突を指さして言っている。煙突の先から炎が出ているのをフレアスタックと呼ぶのだそうだ。工場から出るガスを煙突の先でわざと燃やしているのは知っていたが、名前は知らなかった。
大山 「団地の前は僕、工場だったんですよ」
ここだけ抜き出すと前世の話ですかという発言だが、団地の写真を撮る前は工場の写真を撮っていたという意味である。むかしはメタル好きだった、みたいなものだと思ってもらうのが早いかもしれない。
大山 「誰もが通る道ですから。工場は。」
だそうだ。
腰が低いダム
萩原さんのここでのお気に入りはトラックターミナル。そう言われてみればコンクリのスーパーフラットな質感がダムに通じる。
萩原 「むかし買ってもらえなかったトミカパーキングに似てて」
萩原さんは建築物そのものよりも物語性に重きを置くのタイプなのかもしれない。好きなダムのタイプを聞いてみると…
萩原 「昭和30年代の電気がなかった時代の、本気で発電するためのダムがいいですね。いまの公園と一体化しているようなダムは腰が低くていまいちですね」
いや、やっぱりハードコアでした。 |